大作の完結、おつかれさまでした。
最初は(私が勝手に)理知的に思えていたサレが、けっこうぶっとんだところのある人で(苦労も人一倍だったようですが)、後半に行くほど勝手にくすくす笑ってしまいました。
歴史書のような体裁ではありますが、あくまで回顧録なので、字の文の裏に人間臭さが垣間見える文体が、とてもおもしろかったです。修正について悩んでおられるようですが、文体はこのままでいいんじゃないかなあ(歴史書についてあまりどうこう言えないのですが)。…それとも、後追いで拝読しておりますので、このあたりはもう解決されたでしょうか。
ガリア戦記。訳者が訳註でツッコむスタイル。青切様があげられたものと同じかどうかわかりませんが、以前私が読んだガリア戦記も、訳注にツッコミが多々あったことを思い出しました。もし違う訳者の本だったとしたら…このときのカエサルの言動にはツッコミどころが多々あったということになりますかね(笑)。
私は、青切様が思ったほどには、この書の本質が読み取れていないと思いますが、回顧録という過去をちょっと乾いた目線で振り返るスタイルの大河歴史ロマンとしても、非常におもしろかったです。個人的には、サイトよりも紙の本スタイルで読んだ方が、じっくり楽しめそうですね。
何の参考にもならないことしか書けませんが、とてもおもしろかったということだけは、お伝えさせてください。
ありがとうございました。
作者からの返信
こんにちは。三奈木さん。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
お疲れ様でした。
日々のやりとり、楽しかったです。
いろいろなご指摘・感想は、見直す際の参考にいたします。
いや、本当に、良い読者さんに巡り会えて、書いた人間としてうれしかったです。書いてよかった。
心から感謝いたします。
完結おめでとうございます。
何というか、読んでいるだけの者が感慨深い気分になるのは可笑しな話だと、自嘲しながら最終話を2回読み返しました。
ラシウが亡くなってしまったのは悲しいエピソードでした。
そして最後まで、きっと誰も吐露しないのでしょうが、公女ハランシスクとノルセンの不思議と付かず離れずの関係性に、私は感じてもしようがない思いを抱いていたのだと思います。
あの時代を駆け抜けたオントニアに、オーグに、タリストンに、ハエルヌンに、エレーニに、ダイアネ・デウアルト陛下に、コイア殿に、ムゲリ・スラザーラ閣下に、そしてノルセン・サレ殿にありがとうとお伝えしたいと思います。
最後まで書いていただいてありがとうございました。
※ディアドコイで一番好きな男は、プトレマイオスですが、私が一番好きな男はディアドコイになれなかった男であるネアルコスです。
作者からの返信
45万字を最後まで読んでくださったうえに、すばらしいコメントありがとうございます。
とくに、ラシウの「退場」に関する言及は、作者冥利に尽きます。
いつになるかは分かりませんが、ラシウの息子が活躍する物語をお届けできたらなと思います。
お前の水夫さんにとって、良い新年となりますように!
編集済
連載完結おめでとうございます。そしてお疲れさまでした。
更新通知が来てその日の更新分を読み、次の日の更新を楽しみに待つ日々は良いものです。
そのような日々を与えてくださってありがとうございました。
更新がなくなって悲しいw
じっくり再読しようと思います。
このあとがきで、見慣れない名前の由来が明かされて驚きましたし感心しました。量産型使い回しネームの作品が多く、いささか飽き飽きしていたので。
推敲について、ノルセンの視点が貫かれているか、知り得なかったことへの言及がなかったかは読み返しをする際にチェックしたいと思います。
『そして、沈黙(5)』の落丁はその手があったか、と感心しました。同時に当然あってもおかしくないよなとも。
コメントで何ヶ所か間違いではと指摘しましたが、いっそ写本の写し間違えにしてしまえばよかったかもしれません。
『スラザーラ内乱記注解』に似た小説はちょっと思いつかなかったので、
高野秀行、清水克行著『世界の辺境とハードボイルド室町時代』
をおすすめしておきます。
現代日本人からは理解しがたい中世人の言動、行動原理の数々とそれらが21世紀の世界の辺境に残っている驚きを得られる1冊です。
楽しい時間をありがとう。面白かった!
好みにあう物語と作者に出会えたことを感謝しつつ、次回作を楽しみに待っています。
作者からの返信
hahen5757さん、心に沁み入るコメントありがとうございます!
小説を書いてよかった。
写し間違いはいいアイデアですね。どうにかうまく使えないかな。
『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。読んでおられましたか!
参考にした一冊です(笑)。
いや、本当にありがとうございました。
また、次の作品で、こういうやりとりがしたいものです。
これから寒くなりますが、ご自愛ください。私は、塩野七生の「ローマ人の物語」を再読する予定です。
まずは完結お疲れ様でした。
45万字とは長いですね。
脳内にあるものをダウンロードするって、ある意味快感なんですが、ある意味苦痛でもありますから、ホントにお疲れ様でした。
こういう史書形式って新鮮だなぁ、というのがやはりファーストインプレッションでした。
私事を申し上げると、実は史学を学んでいたことがあるので、そういう意味では新鮮というよりも懐かしい、という感じでした。
また、御作の「前」と「後」が、(少なくとも作者様の脳内では)「有る」というのが良いですね。
余白というか、広がりを感じて、それが「良い」と思いました。
面白かったです。
ではではノシ
作者からの返信
四谷さん。こんばんは。
毎回の「いいね」ありがとうございました。本当に励まされました。
私の好きな作家さんが、「長編の執筆は苦痛しかないし、達成感もない」と書いていましたが、私もそれに近いですね(笑)。いろいろ考えたり、推敲作業は嫌いじゃなかったですけど。
時間ができたので、「輿乗の敵」、毎日ゆっくり楽しませてもらいます。信行の二段構えの演出良かったです。
長い期間この作品に触れていたぶん、登場人物にも愛着を抱いてしまい、読み終えた今は少し名残惜しい気分です。
特定の思想やメッセージを押しつける作品ではありませんが、固有の世界観、人間観は、はっきりと刻み込まれていたように思います。神の透明な視点を通してではなく、回顧録、注釈というフィルターの向こう側に浮かび上がってくるからこそ、大きな歴史の流れに棹さす人間の強さと儚さを感じました。
サレは時代に翻弄されるとともに、同じだけ、時代を翻弄する人間です。他人を使い捨てることの無神経さを注釈者は批判的に捉えていますが、そうしたサレの世界にさえ谺する〈人間〉の音を何度も聞いた気がします。例えば、花咲き乱れる丘にて、楯代わりとした若者が母親の名前を呼んでいたことを、サレは口述しました。サレ自身が意識していなかったとしても、ここには〈家族〉というモチーフが強烈に刻み込まれています。
こうしてみると、実に様々な家族の形、家族類似の、あるいは家族とは全く異なる特殊な人間関係が描かれていました。べったりとくっつきあうのではなく、一定の距離を取りながら、その距離に特別な意味のある関係性。見方によっては、この回顧録と読者の距離感も、この作品が扱う特殊な人間関係のバリエーションなのかもしれません。
おかげさまで、読者のわたしはノルセンの次の世代の物語が気になって仕方ありません。続編も楽しみにしています。
この作品に似ている小説は、例に挙がっているものの他には、特に思いつきません。感性の渇き方や筆致に、佐藤亜紀『ミノタウロス』『バルタザールの遍歴』『喜べ、幸いなる魂よ』等を連想しました。戦記の中では、特にヨセフス『ユダヤ戦記』を連想しました。しかし、どちらも似てはいません。
作者からの返信
すばらしく、かつ考えさせられるコメント、ありがとうございます。
こういうコメントをいただけると、いちばん書いたかいがあったなと思えます。つづきを書く気力が湧いてきます。
狐さんが読んでくださっているのを感じて、昨日も、自分にしてはたくさん書けました。ありがとうございます。
挙げていただいた本も参考にしたいと思います(いまは、ガルシア=マルケスの「族長の秋」を再読しています)。