どれほどの土地が人にはいるのか(2)

 コステラのときのように、ホアラでも公女[ハランシスク・スラザーラ]の知恵を借りようと思ったところ、代数学に夢中であった彼女は相手をしてくれなかった。

 近北公きんほくこう[ハエルヌン・スラザーラ]からサレには、公女の世話料として、多額の金が定期的に送られて来ていたが、その使い道をたずねても上の空であった。

 それはそれでちょうどよかったので、サレは心ここにあらずの公女のげんをとって、彼女の金を使って、ハランシスクの名を冠した公共物をあちらこちらに造った(※1)



※1 ハランシスクの名を冠した公共物をあちらこちらに造った

 ハランシスクの名前ばかりつけられては、領民は不便だったろう。現在でも、ホアラの大公会堂とその前のおおなどに名前が残っている。

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