地にうずもれて(2)
おおいくさのあと、サレが戦勝祝いのために、近北公[ハエルヌン・スラザーラ]のもとを訪れると、顔に血のこびりついたままのラシウ[・ホランク]が幕舎の前で
それから、一緒に小川へ行き、お互いの顔の血を
始終心配そうに、
幕舎の中へ入ると、公は足を投げ出して椅子に坐っていた。
「おまえほどではないが、私も疲れたよ。しかし、東南州の弱兵にも困ったものだ。今後の東部州への進攻計画が大きく変わってしまうかもしれない……。まあ、それはそれで、私にとって、つごうのわるい話ではないが」
言い終わると、公はサレに椅子をすすめた。
それから、サレの矢傷を心配するとともに、サレの
サレとしては、家臣を褒められて
そのようなサレの言に対して、公は不満そうに鼻を鳴らしたのち、いくさが終わった
「まあいい。新教の者の魂は月の裏側にあるという海に溶け、旧教の者の魂は太陽に溶けるというが、異教の者は善行を積めば空にあるという楽園へ、
※1 やんわりと否定した
この頃から、ハエルヌンは、いくさびととしてのハアルクンへの対抗として、ダウロンを持ち上げる言動が増えていく。これを、とくにハアルクン派の将兵は、
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