権威権力(6)
公女[ハランシスク・スラザーラ]が
これをもって、八九二年のコイア・ノテの乱前に、
近北公と
長男の今後のことを考えて、近北公は、大貴族や今の大公[スザレ・マウロ]の反対を押しのけて、公女の名をもって、
思い通りに物事が進んでいた近北公が、酒宴の席で、「人間のよいところは、かならず死ぬことぐらいだな」と、ゼルベルチの死を祝う言葉を吐いた直後に、後押ししていた長男の暗殺を知らされ、「人間のわるいところは、簡単に死ぬところだ」と落胆したとのこと。
長男の死後、
それに対して近北公は、「果実が自然に落ちるのを待てばよい」と静観を決め込んだ。
この近北公の判断によって割を食ったのが
ゼルベルチの長男の州馭使着任に合わせて、ケイカ・ノテのそれも叶うはずであったが、鳥籠や近北公の判断により、事態が落ち着くまで保留とされた(※2)。
※1 希代の梟雄ゼルベルチ・エンドラがとうとう死んだという話が都に流れて来た
新暦九〇〇年九月十八日に病死したとするのが定説である。
※2 事態が落ち着くまで保留とされた
これには、ロアナルデ・バアニらに、州馭使の座を目前にぶらさげることで、近西州を自分につごうのよいように動かしつづけたい、ハエルヌンの思惑もあったであろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます