3-14『予選会場ー勝つ!』



 あの後、出場が決まった8人のメンバー紹介があった。


 そして今は、また受付の前にいる。

「2人ともおめでとう~」


「いくと!」「ご主人様!」

 少し離れて見てたら立派になったなーと思ったが、こうやって僕にすりすりしてくるとこ見るとまだまだ子供だな。


 にしても人の変わりようって凄いよな?

 個人戦の受付並んでる時は、子供が~とか聞こえてきてたというのに、ペア戦で今並んでるのだが゛まさか双子の英雄まで参加するのかよ!?゛とか゛おっ俺今年は棄権しようかな゛とまぁ随分と評価が変わったみたいだな。


(双子の英雄か~どう見ても双子の天使だけどな~)

 すりすりとしてくるのが可愛くて仕方ない、ていうかこの猫耳が当たるのが最高だよな~

(欠点といえば、しっぽもふもふしてるから触りたいんだけど……なんか触ると顔が真っ赤になるから、触り辛いというかなんというかで触れないのが少し残念ってぐらいか…)


 ☆☆☆☆☆



 結局あのあと、並んでるとこを受付の人に発見され、全員を順番抜かしする感じに優先されて受付は直ぐに終わった。


 ペア戦まで少し時間があるので、のんびりご飯の時間です。


「もぐもぐ~おいしー!」

「これは……なんでしょう?凄い美味しいです!」


 みぃはそう言ってぱかりとサンドイッチを開き中の具を確かめて聞いてきている。


「ん?これはな~カツサンドって言って、豚肉……まぁこの世界で言うオークの肉に小麦粉付けて卵絡めて、パン粉をまぶして揚げた物だな」


「……!?……メモ帳忘れたです……」


「ん?忘れたらまた教えてやるから、いつでも聞いてきたらいいぞ?」

「はい!ご主人様……優しくて好きです!」


「なっ!?……はは、そうだな~」

(やばいやばい、美少女に好きって言われるとついつい勘違いしそうになるのは、モテない男のさがだな……ふぅ)

 にしても、みぃがこんな言葉使うなんてな~懐かれたもんだ。とついつい思い老ける僕である。



「ちなみにカツサンドには、勝負に勝つ!っておまじないの意味もあるんだ……だからまぁ、次も楽しんでこいな!」


「はい!」「うみゅ!!もぐもぐもぐ~勝つにゃー」



 ☆☆☆☆☆



(なんだろう……この扱いの差)


 コロシアムの会場を見る為、また僕は客席に座ってるのだけれど……なんか僕から半径1メートルと下まで一直線、全席空き席になってる気味の悪い現状。


 ヒソヒソと聞こえてくる。

 ゛双子の英雄の弟なんだって、きっとあの子も将来凄くなるに違いないわよ゛゛あの付近は開けておけよ、双子の英雄に目をつけられたら命が幾つあっても足りないからな゛゛噂だと双子の英雄がご主人様と崇めてるそうよ゛


(こんなことしたとこで、誰一人の顔なんて覚えないのにな)



 ゛レディースアーンド……!!ジェントルメーン!!゛

 ふむ、どうやら始まるそうだ、今回は溜めがあったな、間違えないように考えてたんだなきっと。


 ゛今年もいよいよ始まりましたー!!゛

 それさっきも聞いた。

 とりあえず実況を簡易に言うと、個人戦終わったのでペア戦始めますよ~って事らしい。

 ちなみに、ペア戦は個人戦とは少し違い、相方が負ければ有無を言わさずリタイアって事になるらしいな。


(ペア戦は上級冒険者まで含まれるから結構強そうなのゴロゴロ居るなー)


 それでも、あの二人の圧勝だと思うんだ。

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