3-15『予選会場ー業火と大海』
゛それでは、皆さん準備できたようなので開始したいと思いまーーす!!!!では……ギルド大会予選、下級冒険者~上級冒険者、ペア戦……開始ーー!!!!!゛
なぜ僕がそう思うか?まぁ簡単な理由だな。
゛うぉーーーっとーーー!?まさか全員で狙い撃ち!?なんということだぁ!!!だがルールに反則と書いてない以上これも勿論反則ではない!!この窮地、双子の英雄はのりきれるのかぁあ!!゛
まぁ僕は知ってた。
そして2人も気付いてた見たいだな。
(流石にあんなに2人を見てたらバレバレだよな~)
今回2人は端っこに寄る事を辞めていた。
まぁさっき端に寄ってた理由はたぶん、あの老人を警戒してのことだろうから、今回の敵にそれをする必要を感じなかったんだろな。
゛ファイアボール!!゛゛アイスショット!!゛ウォーターガン!゛゛エアーシュート!!゛サンドショット!゛
四方八方から様々な魔法がみぅとみぃ目掛け放たれる。
魔法だけではない、弓、短剣、暗器、何でもありの飛び道具の嵐。
とは言え(……頭いい奴は居ないのか?)
ただ真っ直ぐ飛んでくるだけの攻撃、2人が避けないわけが無い。
「みぅ!」「うみゅ!」みぃを抱き、たかーく飛び上がる2人、勿論上空に逃げたからといって攻撃されないわけは無い。
゛ファイアレイン!!゛
やはり上級冒険者も含まれる予選、当然のように炎の雨雲が空へ現れた。
(予想はしてるよな~……あっみぅが行くのね)
空中でみぃを手放し、みぅは空中で放つ。『飛燕撃!』高く飛んだ自身を更に加速させ辿り着く上空。
『魔炎……』
(へ?……いつ覚えたそんなこと!?)と、僕はまさかのみぅの行動に目が点になる思いだ。
(僕も知らないぞあれは……魔法名を留めることで、同属性の魔力が集まるのか?)
空に飛び上がり拳を振り上げるみぅの腕へ、ファイアレインにより産まれた真っ赤な雲が収束してゆく。
ほとんどの冒険者はそれに気付いたのか、驚き固まってしまった。
(馬鹿ばっかだなー)
ちらちら自慢げに僕の方を見ているみぅに魅入ってたら、このまま終わるぞ?
とまぁ僕の予言、見事に当たる。
空中に取り残されたもう1人、みぃなのだが攻撃を引き付ける役目だと思われてるがそうではない。
魔法等の攻撃を防ぐ為に張ってると思われてる、みぃを囲う水の護りだが……どんどん規模が地面に近づくに連れ巨大化している。
(アクアウォールを何回使ってんだ?にしても……次から次に面白い使い方を見つけるもんだな)
まぁあの二人がまだまだ純粋な子供だからってのもあると思うが、頭がいい分思い付く魔法が凶悪としか言い様がない。
みぃを纏う水は既に何トンあるのやら?
そして力一杯唱えたんだろう、普段小さくて可愛らしいみぃの声が会場に響き渡る。
『ウォーターガン!!!!』
自分がどこまで落下してるかなんて、あんな大量の水を纏ってたら見えない筈だと言うのに……あれも計算かよ。
限界だと思われるギリギリの場所、会場のど真ん中で地面目掛けて放つ水の初級魔法ウォーターガンの筈なのだがな。
集めた水の量がやば過ぎた、中央に放たれた何トンもの水は地面に激突するなり上から降り注ぐ水から逃げ場を求め会場全体へ走る。
その光景まさに激流葬の如し。
多分この時点で殆どの冒険者は悲鳴をあげる暇もなく強制転送により消え去った。
だと言うのに、残った戦意喪失気味の冒険者を襲うのは、2連撃目の一打である。
『…………撃!!!!』
みぃの真横、激流葬が発生してすぐ、みぃが激流葬の水を端からそのまま上空へ一瞬逃がしたことにより舞台は整っていた。
小さな拳へ圧迫された炎の魔力は地面から大爆発するかのように、会場を覆い、けれど出来るだけ殺しを避けるのかみぃが一瞬浮かせた水は地面へと落ち炎を消し去った。
(サーカスより迫力ありそうだな)
゛えっ……あの?へ?……なっなんだったんだ!?いったい何が起きたんだ!!゛
ここでようやく実況が追いついたようだな。
゛開始直後、全員に襲われた筈の双子の英雄、だと言うのに……立っているのは2人だけ!!まさに一掃!!怒り狂う水の神と火の神を思わせる様な一撃、けれど最後には慈悲を与える聖母!!何だこの2人!!まさに瞬殺!!ねこのこ様の再臨だぁーー!゛
実況はとりあえず煩かったが、客席は沈黙してたよ。
゛……なんであんなのが下級冒険者なんだよ゛
゛王級を個人戦で仕留めたんだろ……こんな2人誰も勝てないよ゛
(うん、僕もそう思う)
このあとペア戦はもう一度行われた。
本来2組が残らないといけないのが、2人によって全滅してしまったからな、でもまぁ……盛り上がらなかったのは言うまでもない。
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