3-08『カリバーンーご褒美』
宿屋に戻ってきた僕たち3人、そして現在僕はすごい責められてます。
「むむぅ~いくと、強すぎるの!!」
あのあと、2人相手だと強すぎて疲れる事が分かったので、まぁ個人授業に切り替えたんだ。
(個人個人だと、やっぱ弱点が多いんだよな~)
今回の大会、個人戦とペア戦チーム戦があるんだが、今回人手不足らしくてこの2人は個人戦とペア戦、2つに出る事になってるから……ペアでは負けないだろうが、個人戦が少し心配だわ
「ご主人様はみぃ達2人になら負けただろって言いますが、傷1つついてないです……これじゃ勝った気しないですよ」
(ほうほう、みぃさん?頭はいいですが大人に口で勝てるのはまだまだ速いですよ?)
「ふーん、ならみぃとみぅは僕が怪我した方がよかったってことなのか?」
「!?ちっちがうです!!そうじゃないです!!」
(ふむ、まだまだ幼いな~敬語バグってるぞ~)
「にゅ~」「むぅ~」
とまぁ、言い返せなくて拗ねる2人だけど……ご飯中にこう、左右からぴとっとくっつかれてると食べ辛いのだが?
(やっぱ猫だし、飼い主に牙を剥くって感じでいやだったのかな?)
「大会は明日からだし、今日はすごい頑張ったからご褒美を作ってやらないとな、みぅとみぃ2人が食べたことないのをご馳走してやるよ」
ご飯中に更にご飯の話し、普通なら嫌がるだろうが、2人は大喜びする。
「にゃ!新しいの食べたい!」「ご主人様の手料理ですか!?」
(みぃ……余っ程手料理がいいのな)
「ん、まぁ僕がずっと好きな食べ物だから、気に入ってくれたら嬉しいが……食べるか?」
まぁもちろん元気な返事を返され、机の上に並んだ食べ物を急いで食べ切る2人であった。
(あっ……これは残さないのね?)2人の食欲は凄いです。
☆☆☆☆☆
「『錬成!』」適当な鉄くずを異空間収納より取り出して錬成したのは、鉄板に沢山の凹みがある物である。
(この2人……食後でもかなり食いそうだからな~)
なので、かなり大型、まとめて80個は焼ける代物。
わかる人はこの時点でわかると思う。
前もって何度もフライパンで焼き、この世界での材料のみで僕なりに再現した白い粉を水と混ぜてゆく。
「にゅ?いくとーこれなぁに?」
「ん?あ~ご飯の材料だぞ?」
「ふぇ~魔法で作るんだ~」
僕の赤ちゃんの身体だと流石に……この大バケツに入った量を混ぜるのは無理だからな~(かと言って、みぅに混ぜさせたら家の中が凄いことなりそうだし……)なので、風の魔力をかなり弱く操り混ぜている。
「……この粉は後で教えてもらうとして、この粉が大体……で、水を……混ぜる、混ぜる強さは……」
みぃさんは勉強熱心ですね、夢中でメモしてる。
(メモしなくても、1度見たら覚えるのに謎行動だよな~)多分みぃは形から入るタイプだと踏んでいる。
そして次に……「ご主人様!それはなんです!?」
「あ~芋だな、粘着芋を絞ったものだ」
「粘着芋?……罠で使うアイテムですよね?」
「んーまぁ、それは魔物に効果的って話しなだけで、結局野生で取れた芋だからな?毒素もないし旨み成分もあるから普通にたべものだぞ?」「ふぇ~……粘着芋、めもめも」
(ていうか、普通にこれ自然薯なんだよな……ただ、自然薯と違って削らなくてもぎゅっと握るだけで刷り終わる謎に楽な食べ物だな)
手間いらずというかなんというか、色々と異世界は生前の世界と少し異なるだけで、結構似たものがあるから便利だ。
次は天かす、これは異世界に普通にある天ぷら専門店で貰ってきたもの、なぜ捨てるのか謎な位に美味しい。
(そういや粉物が無いんだっけ?天かすって色々使えるのにな~)
そのうちラーメンやうどんも作りたいとこだな。
次に用意するのはタコ。まぁ流石に普通のタコなんて居なかったから、この間転移で東の港にいる漁師にそれっぽいのを聞いて討伐して手に入れた。
(海の邪王、キングオクトパスだっけ?見た目がちょっとあれだったが、細かく切ってしまえば結局タコだったな)
キングオクトパスのサイズは山を真っ二つにしたぐらいの大きさだったので、ちょっと細かくするのが大変だったが……一生分のタコは手に入ったと思うよ。
まぁ他にも本当なら色々入れたいとこだが、流石にそこまで色々用意できなかったので贅沢は言うまい。
(ソースとマヨがあるだけで充分だよな)
鰹節もそのうち欲しいとこだ(いざとなれば作ればいいか)カツオは港町に普通にあった。
……………こそーり、こそーり
「にゃ!!」
「こらっ、みぅ?つまみ食いは重罪だぞ?」
(ていうか、こそーりこそーりって声に出したらバレバレだろ)
「にゅ~これ、いい匂いする……」
「あー天かすか、食べてみたいならちゃんと言え」
「わーい!ありがとういくとー!」
「あ……みぃも」
「はいどうぞ」
「えへへ、ありがとうございます!」
もぐもぐと2人が天かすつまんでる間に、さっさと焼こうかな。
鉄板には火を通している。流石に満遍なく火を通す機械は作れないので、火の魔法を満遍なく通し火の調整は完璧。
油を敷く、油を敷く道具もないので、木に布を巻き付けたものに油を染み込ませたものだ。(ないならないなりに何とかなるもんだ)
次に粉を混ぜた液体をダダーと、完全な目分量で適当に穴が埋まるように流し込んでゆく。
それからその穴にタコをぽいぽいと放り込み、ばさーっと容赦なく天かすの雨をふらせればあとは待つだけだ。
ある程度時間が経てば、尖った鉄の棒でくるりくるりとひっくり返す。
「にゅ~……」「ふぁ~……」
ふむ、匂いに釣られてきたな……天かすはもう飽きた……訳ではなく、全部食べたんだな。うん。
そんな2人の前、くるくるとひっくり返る度に丸ーくなって行くそれはまぁ知っての通りたこ焼きだな。
「いくとー!!面白そう!!」
「ご主人様!!楽しいです!!」
(反応的に、やってみたいと見てたいに別れたな)
「まぁ僕も流石にずっと焼くのは大変だから、2人にも焼いてもらうな?」
たこ焼きというのはやっぱ皆で楽しく焼きながら食べるのが美味しいって言うよな
「あちちー!!でも美味しい!!」「ほふっほふっ…美味しいです!」
(そういや猫だけに猫舌なんだっけ?)
それでも食欲の勝る2匹、熱々の方が味が良いとわかってるので当然冷めるのを待つことは無く、黙々とたこ焼きを沢山食べたのであった。
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