3-05『カリバーン西ー最強の敵』
さて、という訳でお腹も1杯になった後30分も休憩したので、そろそろここに来た意味を言わないとな。
「みぃ、みぅ、今から大会に向けての最後の調整だ」
「にゅ?」「はい?」
何も無いだだっ広いだけの広場の上、そりゃまぁ疑問に思うわな。
「みぃ」「杖?」異空間収納から杖を取り出してみぃに手渡した。
そして僕を抱くみぃの腕から浮遊でぷかぷかと離れて2人の正面に立つ!……ではなく浮く!
「今から修行だ、僕を倒す気で攻撃してこい!!」
僕の知る限り、今のところこの2匹は本気の本気を出したことないと思うんだよな。
そして何よりも、負けた事が今の所ないと思う。
「……やだ!!」「いやです!!」
(おいおい、同時に断らないでくださいよ)
「はぁ……あのな~お前達、もしかして僕に攻撃するのが嫌だと言ってんのか?」
こくこくと頷く2人。
「怪我させるのが怖いのか?」
しゅんとした顔で頷く2人。
だけど残念、それはひとつ大きな間違いです。
「……あのさ、言っとくが……お前達の攻撃なんかで僕は怪我ひとつすることは無い、というか?まさか僕を倒せるとでも思ってるのか?」
「にゃにゃ!!ちっちがう!!」「そんなことないです!!」
ふむ、敢えて魔力思いっきり具現化して出してみたが、ビビってるな~
「まぁそーゆー事だ、お前達では僕に怪我ひとつさせられないと思う……だから、僕は攻撃しないから僕に攻撃を当ててみろ!出来ることならダメージを与えてみろ!」
「うみゅ!!わかったいくと!!」
「はいご主人様……本気で行きます!!」
切り替えの速いことですね。まぁ良いとこなんだが……この眼と魔力の流れでわかる。
(殺す気ってやつか~つまりこの2人から見た僕は、かなりの化け物ってことだな……ふむ、師匠としてダサいとこは見せらんないな)
☆☆☆☆☆
大会予選に備えた、師匠VS弟子が開始される。
僕は攻撃を仕掛けない。なので先手を仕掛けてくるのはもちろんみぅ。
「いくと!!いくよ!!」
「こら!攻撃する時は静かに気配を読まれず容赦なくだ!」
「うみゅ!!」
一切のタメも無く、一瞬で僕の目の前に現れる。
(……やべぇ~まったく目が追い付かん!)
という訳で視力による視界は頼りにしないでおこう。物理感知により把握する。
(右のパンチだな)いつものパターンなだけに読みやすい。
「毎回同じ攻撃だぞ~もう少し工夫しろ!」
浮遊でひょいっと躱すと、空中でみぅは仕掛けてる訳だからその勢いのまま向こうに吹っ飛んで……は行かないな。
すぐに石の地面が割れる程の勢いで蹴り、踏ん張りからの再度僕の元目掛け飛ぶ。
(弾丸かよ!!)速度は加速がついたぶんさっきよりも速い。
が、まぁ蹴りだとわかる。なんて物理感知で細かい動作までしっかり第三者目線で見えてしまってるからな?
当たり前にひょいっと直線に飛んでくるみぅを予め避けておく。
「えへへ~」「へ!?」みぅのいつもの笑い声が聞こえ、背後を見ると(くっそ!アイスニードルかよ!)みぅごと貫く勢いで放たれる無数の氷の刃達。まさかのみぃの攻撃であった。
(僕が渡したとはいえ、味方ごと容赦なく魔法をぶち込めるってやっぱえげつないな、魔力感知にしとけば良かったか~……いや、それだとみぅの攻撃に対する対応が遅れるし)仕方ない、これは受けよう。
なーーんて思ってやる程、僕は往生際が良くないんだよな。
「『無!』」みぃの魔法を消し去った。
ちょっと大人気ないかなーと思い、拗ねてるだろうなと予測して2人の方を見たんだが……(ふむ、ちょっとこどもあつかいしすぎてたかな?)2人は納得した顔で話してる。
「みぃねぇね、やっぱりいくと攻撃はしてこないんだよね」
「うん、防がないとは言ってなかった」
いつの間にか元の配置、2人は僕を見て意気揚々としている。
(にしてもこの2人、戦ってみて再確認させられるけど……やっぱ、組ませると強いな)
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