3-01『カリバーンー準備』
ギルドにてあの後大会の説明を受けたのだが、まずは予選を勝ち抜く必要があるらしいな。
それから本戦に出場って形なのだが、その予選に出場する為にまず来ているのはここである。
゛防具屋『護る』゛
なぜこの店を選んだかといえば、名前が気に入ったからとしか言いようがない。
(なんか護ってくれそうじゃん?)正直どこでも良かったんだけどな。
あっでもあれだぞ、下見は済んでる。というより何度もここには来た事がある。大人の姿の時だけどさ。
「いらっしゃい」店主が店全体を見れる程度に狭い店内、所狭しと壁を埋められる様々な防具がある。
(んー男のロマンって感じだよな~)
かなりむさぐるしいので、みぃとみぅには似つかないが、他所の派手なだけの防具屋より物がいいと思うのでここに連れてきたんだ。
「みぅ?これなんてどうかな?」
「にゅ~重そう……」
装備選びももちろんだが2人にさせる。一応買うものは言ってるので2人が各自身体に合うものを選べばいいと思うんだ。
(この2人、ずっと雪兎の毛皮を編んだローブ着てたからな~流石にそろそろちゃんとした物着せないと……ぼろぼろなってきてんだよな)
みぅとみぃはそーいったことを気にしないのだが(出会った頃もぼろっぼろの布のローブ着てたからなー)流石に僕としては(保護者)着せてあげたいってのが本音である。
かと言って、なんでも買ってきてこれ着とけよーも変だと思うんだよな、2人を甘やかして育てて良い男見つけさせて結婚させるだけならそんな適当でいいかもだが、この子達には精神面を鍛えるために色んなことを学ぶ必要があるからな。
「んーと……なら」
「みぃねぇね!!みぅは自分で選ぶから、ねぇねも自分のを選んでいいんだよ?」
(あら?珍しいな)
みぃはきょとんとした様子、というか妹が思ったより成長してて追いつけてないって感じだな。
…………………何か考えてるな。
「うん、ならみぅは自分で選んでみて、みぃも自分のを選ぶからね」お互いを認めあってるから、妹の成長に焦らないって感じかな。「うん!あとで……選んだの見てくれる?」
たぶん、最終的に甘えてくるとこまでみぃは計算に入ってるのだろう「ちゃんと選ぶんだよ?そしたら見てあげる」えへへーとみぅは笑を零し、てくてくと店内を見に行ったようだ。
今回買ってこいと言ったのは防具。
この2人のことだからローブを選んでくるとは思うのだが、防具屋でもう1つ選んで来るように言ったのは靴なんだよな。
みぅの身体能力ははっきり言って異常、そしてそんなみぅがよく使う攻撃は飛ぶを主体とした蹴りである。その破壊力はオークの持つ巨大な棍棒を蹴り落とす程だ。
(毎回靴がぶっ壊れてたが、今回は足を捻挫してからなー)
という訳で買いに来させたんだが……2人は気付くかな?
と言うのも前日に僕はこの防具屋に予め来て、2人の女の子が来るから店に出してくれとだけ店主にお願いしたものがあるんだ。
゛絶対に勧めないでくれ、他のを選んだらそっちを売ってくれ、それはまた後日買いに来るから゛そう念を推してる。
だから実はここの店主、結構お喋りなのだが2人にバレないためかしかめっ面したまま新聞を読んでるな。
(……ていうか、店主さん?)
ちなみにだが僕が用意した装備は今回買う3点の商品である。
赤い、紅蓮のローブセット゛6金貨相当゛
水色、水潮のローブセット゛6金貨相当゛
特注、#黒隼__コクシュン__#のレギンス゛13金貨相当゛
値段の札は外させているのだが……あんなカウンター横に目立つように飾れとは言ってないぞ?
「にゃにゃ!!」「……!!これ」
そんな目立てば、当然すぐ見つけるわな。
「みぃねぇね!」「うん、良いと思う!」
2人は嬉しそうに僕が置いといた商品を買ったのだった。
(まぁいっか……)
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