双子の大会

プロローグ


『双子の天災児』


 解体屋の親方を勤め、それなりの生活を敷いていたこの物語の主人公『一才育人』は、いつもの日常の中で突然刺され死ぬ事となった。


 そこから育人の人生は大きく変わる。


 死んだというのに何故か神様による転生により、生前の記憶を所持したまま異世界転生。


 そして誕生したのは森の中、身体は産まれたてなのでもちろん赤ん坊、異世界の森には当然凶暴な魔物もいる。

 命を魔物ウルフに刈られる所を、ねこのこ族という、キノコ好きの猫の獣人に救われた(神獣の1種らしい)


 そして命の危険を持つことなく成長する育人。

 転生者だからか成長は著しく、2ヶ月もすれば立って歩くことも出来れば喋ることまで可能となっていた。


 そんな育人は育ての親である2匹に対し、名前が無いと過ごし辛いと言う理由で名付けしたのが生活を崩壊させる。


 2人はねこのこ族で天災を齎すとされる双子だった。それが人間による名付けにより巨大な力を得た。それはねこのこ族に2人を殺害する意志を齎した。


 結局のところ、チート能力に目覚めた育人が追い払うのだが、そのチート能力持ちの育人がビビる程やばいねこのこ族の主が現れる。けれどそのねこのこ族の主はどうやら双子の母親、育人はその強さを見てお願いされることになる。


『2人を殺して』

 けれど助けて貰い育てて貰った恩がある2人にそんなことは出来ない。そして何よりも2人に初めて抱く情という感覚、育人は母親に2人から殺さないといけない理由を取り除くと啖呵を切る。



『双子の冒険者』



 結局2人が殺される必要がなくなる方法はたった一つ。

 体内に宿してしまっている『勇者の魂』『魔王の魂』この2つを追い出し消滅させることである。


 けれどその方法を行う術は、2人が強くなる事が絶対条件。

 なので育人は2人を連れて旅に出ることにした。


 旅に出る際の育人が2人に約束した事


 育人は一切の手助けを命に危険がある時にしかしない。


 生きていく為の知恵と、強くなる為に協力をすること


 育人はその約束通り2人がどんなに辛くても、命に危険が無い時はチート能力を使うことは無くただ見守り続ける。


 年中暖かな森で過ごしていた2人にはとても過酷な冬の外の世界。だというのに2人は黙々と努力し、泣き言を零すことはない。


 戦うだけでなく生きてゆく手段も必要だろうと、育人は2人を冒険者に仕立て上げる。突然訪れるなれない人間社会、けれど幼い知恵を成長させ逞しくなってゆく2匹。


 そして新人冒険者の中でも一際目立つ強さとなった2匹に、冒険者ギルドから声がかかる。


 それは世界から集まる冒険者達との試合が行われる大会。

 育人は2人の成長に繋がると思い、その声に応えるようにみぃに伝え、2人は大会に出る事となった。

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