2-22『東の平野ー昼食』
覚えててよかったな。
「『ヒーリング』」ちなみに僕には詠唱が要らない。
(この間試し打ちして魔力の流れは把握したからな~)
まぁ念の為ってやつだな、死にはしないだろうがこの2人をこのまま引き摺って連れ帰るのあれだし、かと言って……
(よく知らないオスがみぃとみぅのどちらかにおんぶ?ふざけるな)という訳なので、何がなんでも1人で歩いてもらいます。
ペルネさんは女なので、許してあげましょう。
☆☆☆☆☆
雪のかまくらを作り、そこへペルネとレンを放り込んでいる。
(ん~起きないな)
「ご主人様!!これもまた作り方を教えてください!」
「うまうま~♪」
昼食用に今朝のピザサンドではなく、焼いて潰した卵のスクランブルエッグとマヨネーズをぐちゃぐちゃに混ぜた物を、挟んで焼いたたまごサンドを用意してたから、ちょうど昼なので2人に食べさせている。
「みぃは料理に興味あるのか?」
「はい!!」
「はは、なら僕のとっておきも沢山教えてやるよ」
「……!!ありがとうです!!」
(興奮すると、敬語がたまーにおかしいな)
異空間収納は本当に便利だと思う。前に食べ残しを入れてて……やらかした~!!!って取り出したんだが、腐る事もなく当時の姿のまま、むしろ温くもあった。
(異空間収納の中って、時が止まってるのか?)
食べ物をいくら入れてても腐らないってのは、収集癖があり、ストックを多めに集めたい気質の僕にはとてもありがたい。
☆☆☆☆☆
結局このあと、レンとペルネが一向に目覚めなかったので仕方なくギルドまで運んだ。
あ、もちろんだけど……2人に抱っこやおんぶなんてさせてないぞ?神獣の森からストックしてる木材、その中でまぁまぁ頑丈そうなのをレンの着てる皮の鎧にすっと腕から腕へ抜けるように通す。
あとはまぁ「いくと~これ重たいよ~」
「これも修行だと思って頑張れ」
「にゅ~」
みぅに片手でペルネをおんぶさせつつ、レンが付いた棒を肩に背負わせ、みぃは僕を抱っこしたままギルドカードに付いた機能を展開する。
ーーギルドクエスト終了を確認、転移魔法陣を展開します。
依頼を受ければ1度だけ帰還用の転移魔法陣を使用出来る。
だというのに何故、レンとペルネを持たせてるのか?それはまぁこういう訳だな。
☆☆☆☆☆
場面は真っ白な平原からギルドにある転移魔法陣の部屋へと移る。
ーー転移完了しました。クエストお疲れ様です。続いての転移がございますので直ぐに魔法陣よりお離れください。
まぁこういう訳だな。転移魔法陣はギルドには2箇所しかなくて、片方が向かう為のもの、片方が帰ってくるためのもの。
なので、他の冒険者の迷惑にならないように帰ってきたら直ぐに部屋を出ないといけない。
「ぽい!!」
(あっ……余っ程重かったんだな、部屋を出るなりレンだけ捨てた)
「むぅ~」なんか膨れてる……ので、喋れないからみぃにみぅに近付くように頼み頭を撫でる。
「えへへ~」単純な性格で助かるよ。
一応みぅも女の子には優しいのね?ペルネはちゃんと空いてる席にゆっくり座らせたようだ。
(んー女の子というより、レンの事が好きじゃないのか?……みぅ的には多分無意識なんだろうけど……)
「ご主人様、報告してきますね」
みぃはそう言ってみぅに僕を預ける。
「すりすり~」
(こらみぅ!ここでは喋れないからって、すりすりし過ぎだぞ!)
最近思う、みぅのこれは……僕を飼い主って認めた猫の行動じゃないのか?と……(結局猫なんだよな……)
☆☆☆☆☆
そして時は過ぎ、15時頃、ようやくお目覚めのようです。
やーめーてーと言いたくなる状況。
起きると同時に、うわぁあああああああああ!!!とか叫び出した日には、そりゃこんなギルドのど真ん中注目の的だぞコノヤロー(恥ずかしい……)
「えっ?えっ!?えっ?なんで!?」叫んだと思えば、次は混乱してるようだ。
横の女の子を少しは見習って欲しいもんだ。
「……?……ここは?」思いっきりオークにぶっ殺されかけたというのに、キョトンとして静かなもんだぞ?
(ん?あれ?)みぅってやっぱり女の子には優しい?と思う行動、みぅは目が覚めたペルネをなでなでしている。
「……みぅ……ちゃん?」初めて名前呼んだらちゃん付け、案外ペルネも心を許してたりする様だな。
「ここはギルドだよ?」
(みぅが……みぅが……場所の名前は覚えてたんだな!?)冗談抜きで驚いてしまった。
ちなみにみぃ、もちろん双方に心を許してないのか目が覚めたなーと思ったらとことことクエストボードを見に行ったようだ。
(……僕を席に置いて去るとは……抱っこしてくれる人居なきゃ動けないのだが?)正直僕もみぃと同じ様に、この2人が役に立たないと思えば興味無いので去りたい。
けど移動不可、仕方なく黙って会話を聞くこととなった。
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