2-17『カリバーンー夜行』
「『成長』」
これはみぃにもみぅにも内緒であるが、僕の隠し魔法である。
普段は小さい手の小さいあんよがついたそれはもう可愛い可愛い赤ちゃんなのだが、僕の魔法にかかれば楽勝で大人となる。
「ふぅ、流石にあの二人に……大人の汚いとこはバレたくないしな~~」てな訳で、夜の街にお出かけだ~シュタタタ~
とりあえず冒険者ギルドへ
(24時間て書いてたんだよな~)この街の大通りにある店は年中無休、24時間営業が基本らしいな。
何故冒険者ギルドに来たか?そんなの簡単な話しだ。
(流石にあの2人にギルド依頼させて、飯食ってー宿借りてーしてるのに欲しい物まで買って~なんて言えないよな~)
つまり、そこまでヒモになりきれない、それなりにある良識が邪魔したからだ。
「すみません、これで」
「かしこまりました、では身分証の発行で宜しかったでしょうか?」
「いえ、冒険者になりたいので冒険者カードの発行までお願いします」
「かしこまりました、少々お待ちください」
(昼間のお姉さんとは違って、このお姉さんは落ち着いてる感じがいいな……胸も落ち着いてるけど)
昼の活発そうなお姉さんとは違い、冒険者ギルドのお姉さんは眼鏡をかけた白髪の女性、露出の少ない黒いスーツの様な正装を着ている。
顔は美人系だな、冷めた目がどことなくみぃと被るせいか親近感が湧いてしまうよ。
「お待たせしました。ではこちらに、必要事項を御記入ください」
かきかきかき、まぁ解体屋してた頃よく書類を書いてたから慣れたもんだよ。
「……31歳……へ?」
(あっしまった……前世の癖で書いてしまった……成長で変身してる姿、いいとこ20歳だから変に見られるか?)
という僕の焦りも直ぐに解決される。
「ごっごほん……すみません、かなりお若い見た目でしたのでつい取り乱しました、ではこちらに手を当ててください」
流れる様に登録……と、手を当ててから思ったのだが、僕のステータスってやばくね!?
とか思ったのだが……
「ではこちら冒険者カードになります、どうかなさいましたか?」
受付のお姉さんは全く反応なし。
なんでだろ?と思い見てると首を傾げられた。
「いっいえ僕って強いのかな~って思って……」
「はぁ?基本的に冒険者カードは冒険者様の個人情報が記載されているもの、受付である私達は見ないようにしてるので……その辺は冒険者様が見せて頂けるのでしたらお教え出来ますが」
(…………………昼のお姉さんガンガン見てましたよーってチンコロしたくなるな)まぁ僕がそこに居たという事実は無いのでいわないけれどな。
「大丈夫です!」
「そうですか?一応新人冒険者の平均は全体的に25位だと思っていたら大丈夫です、それ以上高ければ喜んでいいと思いますよ」
「へ~」という訳で、やはり僕はそれなりに強いそうだな。
「でも冒険者様の髪色、瞳の色は黒いですので魔力の素質は無さそうですが……肉体の強さのみで有名になった冒険者の方もいますので、その辺はお気になさらない方が良いと思いますよ」
(初耳……まぁ黒い髪で黒い瞳だけど魔力のある僕には関係ないか)
名前/一才育人・年齢/31
HP/63・MP/∞
腕力/14・体力/10・素早さ/2
知力/102・精神/243・器用さ/51
魔法適正/10属性/8種類/無限級
性別/男・職業/僧侶
常時スキル一覧
『勇者の紋章』『魔力感知』『浮遊』『異空間収納』『物理攻撃無効化』『魔法攻撃無効化』『言語理解』
職業スキル一覧
『ヒーリング』
(攻撃魔法はとにかく、回復魔法がよく分からなかったからなー)
という訳で、あの二人のサポートだけをするつもりの僕は僧侶となった。
そして冒険者登録も終わり壁に貼られた依頼を確認。
「これでいいかな」
べりっと依頼書を壁から剥がし受付にもってゆく。
それから転移装置を使い依頼の魔物が発生してる場所へ転移した。
☆☆☆☆☆
『村を襲うグレムリンを討伐せよ』
討伐目標/グレムリン、制限時間/なし
最低討伐数/3匹、報酬/1大銅貨(1匹につき)
場所/アーク大陸ーカリバーン東の村周辺
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