17『神獣の森ー食事』
神獣の森での修行は続く。
なんだかんだでこの森は色々と便利である。
「んーある意味……みぅのフィジカルスキルが発動しないお陰でここが使えてるのか……?」
なぜ発動してもないのにそれが分かる?単純な事だな。
僕には魔力が見える。それもハッキリと色分けして見る事も出来る。
それに気付いたというか、出来るようになったのはこの2人のお陰だな~(子育てすると親が育つって言うが、そんな感じか?)
みぃの魔力は水色、まさに髪の色と同質の魔力を秘めている。
「『水よ、みぃの元に集まって』」
こんな感じにみぃが唱えると、みぃの中の魔力が外の水の魔力と同期しまるで生きてるようにみぃの周りをくるくると水を集め回っている。
(詠唱なんて知らないもんな~)
異世界来たばかりの僕に、そんな知恵はない。
だからみぃには僕の世界の言葉を仕込んでいる。
まぁまだまだ難しい言葉や漢字は覚えてはいないが、今でもそれなりに魔法を操れるようになった。
対するみぅ。
「たーー!!とーー!!やーー!!」
必死に身体を動かしている。
(んーやっぱ部分部分には集まってんだよな~)
元々動き回るような性格なので、遊び半分って感じに修行してる感じだな。
(フィジカルスキルの発動方法さえ分かればな……)
なんて思い、2人が寝静まった頃に色々試したんだけどな……この身体だろ?赤ん坊の身体は動かしたところで魔力が集まる程の効果が得られないんだ。
(やっぱ街で色々聞かないとだよな~)
ちなみにヘルプでも調べたけど、強化方法なんてものは出てこなかった。
なんだかんだ時間は経ってゆくもので、修行を初めてもう2時間ぐらいが経っている。
(そろそろだろうな~)
大体2時間ぐらい経つと、みぅは僕の元へ来る。
「うにゅ~全然出ないよ~」
「まぁそう急ぐことも無いだろ?そんなすぐに解決する事なら、お前達のお母さんも諦めたりなんかしてないんだしな」
「……もう少し頑張ってくる」
最低だと思うか?母親を餌にこんな小さい子に修行を強要するなんて、まぁ最低だと思われるだろうな。
(今は修行が癖になる迄頑張る期間なんだ……みぅ、ごめんな)
☆☆☆☆☆
お昼となる。
流石に修行させてる2人に作れって言うのは酷いと思うので、食事は僕が担当している。
(調味料が恋しいな……)
結局のところ、この2人と生活しててわかったてた事だが、家には調味料なんてものはない。
「『火』」
みぅが修行の時にへし折りまくった木の枝を予め集めておいたものに火をつける。
もちろんだが、ここは森なので地の魔法で石の広場を作ってるので火事になる恐れはないだろう。
真ん中にある焚き火、地面には串を差し込む穴は予め作っていて、そこに金魔法で生成した鉄の串を突き刺した魚やキノコを火に当たるように並べてゆく。
一定まで火を通すと浮遊でぷかぷか浮きながらくるりくるりと回しながら焚き火の周りを回っている僕は傍から見たら滑稽だろうな。
「『風』」忘れていた敷物、大きな葉をキノコハウスから風魔法で手繰り寄せる。
精密な操作はまだ無理なので、近くまで飛ばしてきた葉っぱをぷかぷかと拾いに行い、石の広場に3つ並べた。
そして先ず焼き上がりの早いキノコをぽんぽんと並べると「ごはんごはんー」まずはみぅが現れるので「みぃを呼んできてくれないか?」「うん!」魔法に集中してご飯のことを忘れがちなみぃを呼んできてもらう。
その間に全てのキノコを並べ終わる。
(……僕はいつから父親になったのだろうか……)
これは毎日思うことであるがまぁ……
「ご主人様、ありがとうございます、頂きます」
「いっただっきまーす!!」
最近言葉もちゃんと覚えてきた二人を見てると、それもいいかなーって思えてくる所存である。
「あっ魚が焦げる!!」
という僕は、父親としてはまだまだだな~。
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