静かな恋と、疾走する情熱、そして哀しい打算の物語相手の見えない情熱に急き立てられるように行動する主人公の気持ち、そのものが読者に結末を予感させる。そして……自分の気持ちの介錯を、相手に委ねるのか、委ねないのか。主人公の哀しさとともに、その心にひっそりと宿るしたたかさを感じる作品。