第10話 避難①

朝が来た。

私たちは今日、この家を出て、避難所に向かう。行先は私の通っている小学校だ。


「行くよ。」


玄関の戸はいつもより重かった。


通学路を歩く。人のいない通学路を。いつも友達と駆けていた、あの通学路を。


……家を出てから15分もしただろうか。

私は信じられないものを見てしまった。


校舎が、ペシャンと潰れていたのだった。

私はただ唖然とするのみだった。


「そっか……。」


あれだけ大きな地震があったのだ。木造のふるい学び舎は、もはや建物の形をしていなかった。


しかし、私たちのするべきことは決まっている。ここがだめなら、違う避難所を探すまでだ。

「……行くよ!」

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