第8話 食べる

はじめに問題になったのは、私たちの食事であった。

いつもは母が作ってくれるのだが、昨日から母は帰ってきていない。

自分で作ろうにも、ガスは未だ復旧しないし、だいいち食材があまり残っていない。


パントリーを開けてみると、非常食の缶詰めや乾パンを見つけた。


私は悩んだ。

乾パンを食べるかではない。その後のことである。


やはり私たちも避難するのがよいのか。

その場合、どこへ避難すればよいのか。


私たちはとりあえず乾パンを食べ、水を飲んだ。こんなときでもサバ缶は美味しい。水道が生きていてよかったな、なんていう気休めに浸っているうちに、また日が傾いてきた。

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