第7話 静けさ

その晩はとても明るかった。大きな地震はあったけれど、海から離れた私たちの地区は幸い、被害が少なかった。町の街灯はいつも通りに灯り、すっかり元のくまくま町に戻ったような気持ちがした。


ただ違うのは、

私たちのほかに一つも足音がしないことだった。


近所を回ってみた。

――誰もいない。

町は棄てられ、すっかり空っぽになってしまったようだった。


町の様子のおかしいのは、私たちも当然わかっていた。しかし、音信不通のなか、ゲートに閉じられた町のなかからでは、何もすることができなかった。


……余震が続く。

くまくま町は少しずつ壊れはじめていった。

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