第2話 見知らぬ森


 そう、冷蔵庫の中が見えているだけだ。


 突然の非日常的な出来ごとに、冷蔵庫が爆発したとか、自分の体に異変があったのかと思った。部屋を見渡してみるが、とくに壊れている物もなく、自分の体調にもなんら変化を感じない。


 だが目の前を見て、ひとつだけ変化に気づく。


「あ、冷蔵庫の電気が切れてる。さっきので停電したか?」


 そう思って確認してみるが、ブレーカーが落ちているわけでもなさそうだった。


「あちゃー、冷蔵庫、壊れちゃったかな。結構長いこと使ってたもんなぁ……」


 テンションを下げつつ、ほかの家電も一応確認するが、どれも点いていない。炊飯器も換気扇もダメ。ひょっとすると、近くの電線が断線したのかもしれない。

 念のため他も確認してみようと思い、居間に行ってゲーム中だったパソコンのモニターを覗くと――、これは普通に表示されてたので安心した。のだが……。


「あれ?」


 違和感を覚えてよく見てみると、PC本体の電源は切れている。モニターにも電源は来ていない。でも、画面には映っているのだ。


 自分のものと思われるステータスが。


「おいおい、まさか……」


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啓介けいすけ Lv1

職業:村長 (村名なし)村

ユニークスキル 村Lv1(0/5)

『村長権限』

村への侵入・居住と追放の許可権限を持つ

※村人を対象に、忠誠度の値を任意で設定し自動で侵入・追放可能

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 随分とシンプルな表示内容だが、明らかにステータスだと思われる項目が並んでいる。しかもそこには、自分の名前もしっかり表示されていた。


「おい、これって……」


 まさかそんなこと、なんて思いながらも、庭が一望できるガラス戸のカーテンを開けると、


 そこには、今までと変わらない庭が見えている。だがその先には――、見たこともない森林があたり一面に広がっていたのだ。




「あ、異世界来ちゃったわコレ。しかも自宅まるごと転移のヤツ」








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