第8話 まるで攻略サイト見ながら進んでいる虚しさ 21/12/01

 決 壊 し た。

 コノハを買う前、毎日自己処理して虚しくなっていた俺はどうやら一日でも我慢できない体だったらしい。なんか寝れないなとぼーっとコノハの寝顔を見つめていたら、あれなんか血が集まってきたぞ? となって、やべぇ身動ぎひとつで我慢できなく未来が見える、からの動かずにいたら限界突破(我慢できない方向で)しました。


 無駄にスペックが高いチートクソ主人公な体だが、性欲もクソ強いのはどうにかならないのか。


 まだ寝ているコノハを起こさないように布団を抜けて、さっと風呂で洗い流す。

 これって早漏に分類されるのだろうかとか無体なことを考えながらまだまだ残っている性欲を発散させてから風呂を出る。


 するとコノハは起きていたようで、昨日のことが今更になって思い出したのか顔を真っ赤にして照れた様子でおはようと挨拶してきた。


 ああ……朝から可愛い女の子と挨拶できる生活最高だなぁ。

 俺もおはようと返してから、時間停止の保存庫からサンドイッチを。冷蔵庫からオレンジジュースを出して朝食を摂り、昼に食べるものを指示して昨日買った本とか読んでこの家で待っているように言いつけてから俺は迷宮へ向かう。


 この国の冒険者ギルドへ向かった。



 さすが世界唯一の迷宮がある国というか、俺たちの国とは冒険者の数が桁違いだ。

 チートクソ主人公な俺の実力センサーにも、割と強い判定が出る人間がちらほらといる。成功している幼馴染たちと同程度ということは、たぶんここでも有名な冒険者なんだろうとアタリをつけていると受付の人が親切に一人一人の名前を教えてくれた。

 いや、その、覚えるの得意なはずなんですけど俺他人の名前覚えるのだけは苦手なんで顔と名前が書かれた名簿が欲しいっす。「そうか」とか「ああ」とか適当に相槌して答えながら、年上すぎた“お姉さん”以外の受付に慣れないながらにも、そこそこコミュを取って冒険者登録完了。

 秘薬の情報を聞いて、購入できないらしいので当初の予定通り迷宮に潜ることに。


 なんか受付の人が一人じゃ無謀とか言ってたけど、お構いなくって言ってから単騎突撃。迷宮に潜るための準備はちゃんとしてきたし、何より俺ドラスレチートクソ主人公なんで。




 迷宮は何というかよく創作で見かけるようなテンプレというか。オートマッピングによる全域把握により魔物の位置もわかるし、隠し部屋の場所だって分かる俺ってばまじでチートクソ主人公。


 途中寄り道してお宝っぽいのをサクッと回収してアイテム袋に入れたりしながら、秘薬が発見されたという現在攻略されている最下層にたどり着いた。

 魔物もそこそこ強いけど龍の足元にも及ばない強さだし複雑怪奇な道が続いているのでチートなしじゃ手こずるんだろうな。


 ちなみに秘薬なんてどこにも見当たらなかった。

 ポーション瓶に入った液体を想像してたけど、誰が瓶詰めするんだって話ですよね。


 でも秘薬が存在しているってことはどこかしらで泉になってるのか。或いは何かのモンスターの血液なのか。とりあえず情報が足りないし、もうすぐ夕方なので今日は帰宅することにした。


 で帰っている途中に、同じく帰り道らしい幼馴染がリーダーを務めるパーティーに遭遇。地図を持って慎重に動いているが、そりゃ普通は一歩間違えたら遭難する迷宮なんだから当然か。


 地図を持たず悠々としている俺が不思議なようで昨日ぶりのパーフィーが何でと聞いてきたからマップがなくても分かると言ったら幼馴染がもう人間辞めてそうだねとか言ってきた。


 どこまで進んだか聞かれたので現在最高到達記録がある層だって答えたらみんな言葉を失って、パーフィーは俺のことをさすがドラスレ様とボソリと呟いた。


 だからドラスレやめい。

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