第6話 くッ殺 21/11/30
急に同行することになった女は自らをあだ名で呼ぶことを強要してきた。『パーフィー』って伝説の盗賊じゃねえか!貴様も厨二なのか……!?
とまぁパーフィーが加わったわけだが、流石にあと2日隠しきる自信がなかったのでコノハと顔合わせさせる。
パーフィーは人が入っていることに気づかなかったと驚いているが、そりゃ最高級で多機能な荷車だ。詰め込める機能は色々と詰め込んでいるので、この荷台の中は安全安心の一言である。
パーフィーのノリが若干強くて、根掘り葉掘り俺との関係を聞こうとしていたが答えなくて良いと命令すればその通りに従う。
俺が奴隷を買ったという噂はまだ広がっていないようで、あのドラスレ様がねぅ……としみじみしながら言う。
なんか言い方がムカついたので別の呼び方にするよう圧をかけたら英雄様になった。おちょくってるのかな?
まぁ、ドラゴンスレイヤーを省略して様付けするようなふざけた呼び方でもないので良しとして、俺たちは早速出発した。
パーフィーは荷台の屋根上に乗り、俺が荷車を引く後ろから止めどなく声をかけ続けてくる。
もしかして俺の異性との会話特訓をしてくれているのか? ただ、会話しているうちにどうしても異性というより年下感が強くなってきたので姫さまとかを相手にしてた時みたいに緊張感がなくなったので特に効果はないのだが。
道を鳴らしながら荷車を引いて走り、昼には時間停止で保存していたサンドイッチ。夜はまた手作りポトフもどきで二日目の野営に入る。
パーフィーはコノハと一緒に荷台の中で寝かせて、俺は二日目の見張りだ。
コノハが心配そうにやっぱり代わりますと申し出てきたが命令して寝かせる。
俺はガチで眠らなくても良い人間だ。睡眠は娯楽の側面と現実逃避、記憶整理が目的なだけで、起きている間に常時回復しているチートクソ主人公体質なのだ。
また今日もぼーっと焚き火の揺れを見て今日のことを振り返っていると、なんだか股間が膨れ上がってきた。
息子さん、毎日元気ですね。
虚しくなるくらいの性欲の強さに呆れて、仕方なく今日も自己処理しようとしていたら、上から「うわー」と声がかけられて心臓が飛び跳ねた。えっ,いや今止まったって。というかマジか。親バレの比じゃない。他人に、しかも可愛い女の子にいきなりこんな痴態に及ぼうとしていたことがバレるとか生き恥でしかないし死ぬか? うん、死ぬべきだ!
「くッ殺せ!」
「や、殺せっていきなり言われましても。生理現象なんでしょ? 英雄様でもちゃんと人間なんだなぁって思うだけで別に揶揄わないって」
せめてまだぽろんしてなかったのが救いだった。
何故か荷車から出てきたパーフィーが俺の隣に座ってきて、もうどうすればいいのかわからない。てかなんで隣に座るの。何が狙いだ。
パーフィーはそれから、コノハとの関係を聞いてきた。
コノハに聞いても俺が命令したから答えてくれなかったのだろう。もちろん俺も口を割るつもりなかったが、さっきの俺の痴態から話題を逸らそうとしてくれていることにはちょっと感謝しているのでなるべく言葉を選んで丁寧に答えていく。
二人して焚き火を見ながら座っていたのだが、それからしばらくしてパーフィーが寒いと言いながら俺の腕に抱きついてきた。コノハほどではないにしても、女の子の柔らかさが伝わって俺は言い訳の余地もないほど息子が目覚めてしまった。
しかも耳元で、アタシに興味ありませんかって囁いてくる始末。
誘ってるのか? いやでも、こいつは幼馴染のパーティメンバーだ。下手に手を出すとかありえない。
何がしたいんだと必死に自制しながら意図を尋ねると、にっこり笑ってパーフィーが答えた。
「“そういう”ことに興味があるんです。同じパーティだったらこれまでの関係が壊れるかもしれないのでできないですけど、英雄様ならその点心配ないですし、万が一あっても甲斐性ありそうだし、……その……英雄様ならいいかなって思っただけじゃダメですか?」
コノハとの関係を聞いてきたのは恋人か確認したかったらしい。そうなりたかったがそうはなれない。
そうではないと否定したら、コノハはじゃあ失礼しますと言って楽しそうにじゃれついてきた。
その日と隣国へ着くまでの二回の夜営で、俺とパーフィーはお互いの性欲の限りをぶつけ合った。
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