第30話 連合チーム、爆誕!


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NAME:エターナ・エリシュ

HP:837(Bᴬ)

VIT:393(Cᴬ)

ATK:439(Bᴮ)

STR:469(Bᶜ)

MP:631(Aᴮ)

INT:498(Bᴬ)

DEX:457(Bᴮ)

AGI:422(Bᶜ)

LUK:399(Bᴮ)

TTL:(Bᴬ)

SKILL:詠唱短縮クイックショット【詠唱語源の短縮】

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NAME:オガサワラ・ヤマト

HP:1208(Aᶜ)

VIT:574(Bᶜ)

ATK:458(Bᴮ)

STR:502(Bᴬ)

MP:310(Cᴱ)

INT:285(Dᴮ)

DEX:289(Dᴰ)

AGI:612(Aᴱ)

LUK:256(Cᴱ)

TTL:(Bᶜ)

SKILL:終焉なき恋慕ラブスレイヴ

【想い人に対する恋心に着火させ力を増幅。尚、燃料は自身の寿命】

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 俺もエリシュも数多の激闘を死に物狂いでくぐり抜け、ステータスがいつの間にか上がっていた。


「なるほどな……二人ともトータルのステータスランクはB……いや、エリシュさんはほぼAと言っても過言じゃない。ヤマトのあの強大な力はスキルの恩恵によるものか。……だが、このスキル、そうそう使える代物じゃないようだな」

「まーな。キュクロープスを倒したときに使ったので二度目だ。それでこの体たらくだぜ。あと何回使えるか……もちろん俺には絶対に会わなきゃならねぇ人がいるから、自殺願望はまったくねぇ。このスキルは使わないで、先を進むつもりだ」

「俺のトータルはBᴰだ。アルベートとクリスティはCの中位のステータスを持っている。魔法攻撃を得意とするエリシュさんを後方に据えて、俺とヤマトで前衛を固めればかなり強いチームにはなるが……」


 マルクは決して協力を惜しむようなヤツじゃない。

 マルクにはマルクの事情、チーム「金の匙」を支える責任があるのだろう。まだ成長段階の若い二人を巻き込みたくない、危険に晒したくないという思いが強く働いているのかもしれない。


 リスクはあるが戦力的には絶望的ではないことを見定めたマルクの心は、きっと揺れている。

 仮にも俺は、コイツらの命の恩人。

 もし俺の口から「協力してくれ」と嘆願すれば、同行を決断するのかもしれない。

 だけど、それは違うと思う。

 恩を振りかざし協力を乞うのは、好きじゃない。そもそもそんな気持ちから、コイツらを助けたわけじゃない。


 だけど、これから過激の一途を辿る下層への道程。アルベートとクリスティの申し出はありがたい。できることなら協力して欲しいところではある。


 俺は、コイツらに何をしてやれるだろうか。


 過去の恩に縋るのではなく、未来に繋がる『何か』があれば、ダメ元で「協力してくれ」と頼めるのに。

 もちろん無理強いなどするつもりはなく、協力の対価となるコイツらに報いてやれる『何か』か……。


 ———あ、そうだ。


 俺は抱えた荷物袋から、大きな塊を取り出した。


「もし協力してくれたら、これをお前らにやるよ」

「……!! それは『キュクロープスの角』!」

「めっちゃくちゃ、レアアイテムゥゥゥぅぅ!」


 なんでも俺が気を失ったあと、ドロップされたこのレアアイテムをエリシュが拾っておいたとのこと。このレアアイテムだけは残しておいて、下層で高値で売り捌くつもりだったらしい。……さすがエリシュ。抜け目がない。


「これ、売れば100万Gギレッドは下らないって話ですよ!」

「それにこのアイテムで作られた防具は、とても防御力も高くて破損しにくいとか……!」


 俺は手にした『キュクロープスの角』を右に左に揺らしてみると、アルベートとクリスティの体も一緒にフラフラ付いてくる。二人の視線は俺が手にするレアアイテムに釘付けとなった。


「ふふ……ハハハハハハハハハハハハ!」

「お、おいどうしたマルク!? 気でも触れたのか!?」


 腰に手を当ててひとしきり哄笑を解き放ち終えると、マルクの本来の姿———闊達かったつな物腰を取り戻していく。そして親しげのある視線を、俺たちへと向けた。

 

「恩返しの機会に加えて、そこまで好条件を突きつけられちゃ、断る道理がまるでない。何より俺たちは冒険者フリーファイターだ。こんな美味しいを話を逃す手はないしな」


 マルクは再度、腹の底から短く笑う。だが、そう間を置かず真顔に戻ると「ただし」と言い、話を再開させた。


「二つだけ、条件がある。一つ目だが、俺たちが同行するのは10階層の居住階層ハウスフロアまでだ。一桁台の階層フロアには流石に付き合えない。俺はコイツら二人の命を預かる身なんでな。悪く思わないでくれ。二つ目は、この大所帯となるチームのリーダーは、俺が勤めさせてもらう。30階層までなら、俺も到達経験がある。その知識が活かせるはずだ。……それでもいいか?」

「ああ、構わないぜ、それで。スッゲー助かるよ、マルク」

「あと、もう一つ追加して。私のことも『エリシュ』って呼んで。いいかしら?」

「ふはは……わかったよ。エリシュ」


 リーダーのマルクが同行を決めたことで、アルベートとクリスティに笑顔が浮かんだ。


「これで兄貴と一緒に戦えるぞ!」


 おい。誰が兄貴だコラ。お前のほうが断然年上じゃねーか、アルベート。


「ねえねえヤマトさんのスキルって、後から発現したんでしょ? どうやったら使えるようになるの? 教えて? ね? ね?」

「あ、俺も俺も! 教えてくださいよ、兄貴!」

「だー! まとわりついてくるんじゃねー! お前ら!」

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