第195話 アルフェの特訓
完成したレギオン改めホム専用機アルタードの設計図をアイザックとロメオに託して、今日は解散とした。
これで明日は装甲をアイザックとロメオに託して、僕は
ひとまず、プロフェッサーに提出するレポートのこともあるし、メルアに相談に行ってみようとアトリエに向かうと、メルアが驚いた様子で僕を迎えた。
「あれ!? ししょー、今日は早いね!?」
「え……?」
早いと言われて思わずアトリエの時計を見たが、時刻は既に七時を回っている。
「って、思ったけどもう七時じゃん~! やばやばっ! アルフェちゃん、今日のところはこれでお終いにしよ~!」
どうやらこれを使って、機兵を動かしつつ、
「ししょー、どしたの? これ、気になる?」
「いや、やはりメルアにアルフェの魔法の先生をお願いして良かったと思ってね」
「ええっ!? これ、見ただけでなにかわかっちゃう感じ!? パッと見おままごとのお人形遊びみたいじゃん?」
メルアが冗談めかして聞いてくるが、僕は大真面目に首を縦に振った。
「必要最低限の魔力を使って、
「ひゃー! うちのししょー、ヤバ過ぎ! なんでそんなにわかっちゃうの~!」
「えへへっ。リーフは昔からすごいんだよ。ワタシもどうしてわかっちゃうのって、思うことたくさんあったもん」
頭を抱えて悶えているメルアに、アルフェが嬉しそうに補足している。赤ん坊の頃からずっと一緒のアルフェは、いちいち驚くことはなかったように思うけれど、それなりに驚いてはいたようだ。
「アルフェに関しては、生まれた頃からずっと一緒だったからね。大体のことはわかっているつもりだよ」
「じゃあ、じゃあさ! この仮想
「そうだな……」
メルアの問いかけに、僕は改めてメルアが作った仮想
片方は火炎魔法と土魔法によるもの、そしてもう片方は水魔法と雷魔法によるものだ。
アルフェが得意とするのは水魔法、
「こっちの、焦げが目立った機体はメルアのものだね?」
「うっそー! マジで当たっちゃった! しかも、うちの機体を当てたってことは、アルフェちゃんの攻撃方法を把握してるってことだよねぇ!? ねぇ!?」
メルアがぴょんぴょんと飛び跳ねながら、僕の顔を覗き込んでくる。
「アルフェが得意な魔法はわかっているからね。今度の
「さっすがー! アルフェちゃんさ、すっごく覚えがいいし、呑み込みも早いんだよ。もう、うちが本気でやらないとなかなかマズいところまで来てるんだ」
このまま負けるとは思っていないメルアは、そう言いながらもまだ余裕そうだ。
「そうか。それはなにより」
「リーフのためにも、メルア先輩に勝たなくちゃならないもんね」
「うちは先生でライバルか~。ひゃー、厳しいことになってきちゃったな」
元々僕に錬金術の師を頼むぐらいだ。師弟関係というよりは、先生と生徒のようなメルアとアルフェの関係でも、メルアなりに強い誇りを持ってアルフェを教えていることが、その表情から伝わってくる。
僕も、彼女に師匠と呼ばれても恥じることのない存在でいなくてはな。そのために何をどう教えるかを、今回の機兵の製造が終わったら考えなくては。
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