双子でファンレターを出した

 前回、推しの漫画家の先生に関する話をしましたけど、今回は推しの小説家の先生にまつわるエピソードを話します。


 角川つばさ文庫やポプラキミノベルでいくつも本を出されている、あさばみゆき先生。

 これはあさばみゆき先生が角川つばさ文庫で書かれていた『星にねがいを!』が、完結したとき出来事です。


 あさばみゆき先生のTwitterで知ったのですが、『星にねがいを!』完結記念に、ある企画がされたのです。

 ファンレターをくれた方先着100名に、『星にねがいを!』の特別ショートストーリーが書かれたペーパーをプレゼントするというもの。


 ドはまりしていた作品だったので、これは何がなんでも手に入れたい!

 というわけで自分も兄も早速、ファンレターを書くことにしました。


 推しの先生に手紙を出すわけですから、しっかりしたレターセットを買って。

 書き間違えをしないよう、まずはスマホに文章を下書きしました。


 しかし、書く前にふと気づいて、兄とこんな話をしたのです。


「この特典ペーパーって、100人しかもらえないんだよな? 自分たちが兄弟で2つも手に入れていいのかなあ?」

「たしかに。その分もらえる人が減ってしまうか……」


 これは悩みました。

 ペーパーは欲しいですけど、一つあればショートストーリーの内容はわかるわけですから。家に1つあれば十分。

 これがファンレターを送った人全員にプレゼントだったら、遠慮なく2つ貰っていたでしょうけど、あいにく100枚という限りがありました。


 なのに自分たちが2つも貰ったせいで、手に入らなくなる人が出てきては申し訳ありません。

 それじゃあどっちかが、ファンレターを出すのをやめる?

 そういうわけにはいきません。もう書く気満々で、レターセットまで用意したのですから、お互い譲る気はありませんでした。

 まさか双子そろってファンなせいで、こんな問題が起きるなんて!


 そうして考えた結果、ペーパーは兄弟合わせて1つでいいと、手紙の中で言っておくことにしたのです。

 幸いあさばみゆき先生とはTwitterで何度か絡んでいて、双子の兄弟だと認知してもらっていました。

 ですから無月弟、無月兄ですとそれぞれ名乗った上で、ペーパーがより多くの人の手に渡るよう、2人で1枚貰えればいいというむねを伝えました。


 その後無事、ファンレターの返事と共に、ペーパーが1枚自分たちの元に届きました。

 こういう特典は欲しいですけど、貰いすぎて他の人が手に入らないのはよくありませんから、これで良かったのです。

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