『似てる』であって『同じ』じゃない
自分と兄はよく似ています。似すぎていて見分けがつかないって、今まで何度言われたことか。とても数えきれません。
そういえば、「分身の術だ」とも死ぬほど言われましたね。
ただこれを言われても上手い返しがあるわけでもないので苦笑いを浮かべることしかできず、なんだか自分がスベったみたいになるのですよ。
もう金輪際、双子に分身の術って言うの禁止ー!
けど分身の術はまだマシかもしれません。
もしかしたらこれは自分と兄だけかもしれませんけど、言われたくない言葉があるのですよ。
それは「同じ顔」です。
同じ顔をしていると、数えきれないほど言われてきました。ただこれには、大いに不満があるのですよ。
自分達は似ているのであって、同じではないのです。例え見分けがつかないほどそっくりでも、同じということはありえません。自分は自分、兄は兄で、別々の人間なのです。
それなのに「同じ」って言われるのは、面白くないのですよね。これが「似てる」だったら、そうでもないのですけど。
よくよく探したら、違いなんて案外あるものです。
その違いを分かってくれと言いたいわけではありません。同じじゃないってことを、忘れないでほしいのです。
「同じ」と言うのは言葉のあやだ。気にしなくても良いじゃないかと思う人もいるかもしれませんけど、言葉の持つ力って大きいですからねえ。
そういえば前に「同じ」じゃなくて「似てる」んだと指摘したら、どっちでも良いだろって言われたことがありますけど、どっちでも良いなら「似てる」とは言ってほしいですね。
さて、このエッセイも今回をもって最後となります。
数々の双子エピソード、いかがでしたか?
似てはいても同じじゃない。お揃いの服装は好まない。
このエッセイで書いてきた事はあくまで自分の意見であって、全ての双子がそうというわけではありません。
けどこういう声もあるということを、覚えておいてもらえたら嬉しいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます