2022年2月


2/1(火)

 ニコルが遊びに来た。他に何人か呼んでお茶会。たまたまだけど女ばかりの会になった。女ばかりのおしゃべりかいになると、どうしてもあっちの方に話題が傾斜していくのは日本でもイギリスでの同じ。しかもけっこう赤裸々じゃないの。

 国際ガールズトークになる機会は留学来てから週1の割合くらいだから、これまでにすでにそっち系の知識がずいぶん増えてしまったような気がする。でもそういう話をする中で、人間自然体で生きるべきなんだ、という思いがずいぶん強まったかも。再び日本から出て、ずいぶん固い仮面が外れたな。いいのやら悪いのやら。


2/2(水)

 コースワークと、エッセイライティング。発表の原稿作り。どれもうまくできず、緊張で吐き気を催しそう。



2/5(土)

 院生の某先輩の展示を見にロンドンへ。なんか日本にいた時と仕上げ感とかちょっと変わった気がした。でも基本、前と一緒じゃん。ふむ。


2/6(日)

 女王、在位70周年か。すごいなあ。


2/7(月)

 制作、いい感じにすすむ。珍しく教授に「悪くない」と言ってもらえた。

よし!


2/8(火)

ニコルと、ランチ。本の話と、春物のファッションの話。あと香水の話。彼女の故郷の南仏について色々話してもらってたら、めちゃいってみたくなった。南仏に行ったのは、家族旅行でカンヌに行ったのが12年前。まだ小学生の頃だったから、あんま記憶がないし。


2/9(水)

 ライブラリーにこもって、ひたすらアーカイヴリサーチ。手、汚れすぎ。マスクすればよかった。


2/10(木)

 ユキちゃん、日本に一時帰国して、入国時の強制監禁中。一日何度もメッセージが来る。2日目まではは余裕だよ、いっぱいゴロゴロできるしと言っていたのが4日目の朝から、もう死ぬ、うつ病になる、あばれたい、と愚痴り放題。Zoomでお話聞いてあげた。確かに、辛そうだな。つくづく一時帰国する気が失せる。ま、私の場合、一年限りの留学なので一時帰国するのはもったいないしな。


2/11(金)

 インペリアルでチェロやってる子と友達になった。私はこっちに楽器持ってきてないんだけど、ヴァイオリン借りれたら一緒に何かやる?といったら、友達と遊ぶのに楽器はイヤ。勉強みたいになっちゃうから。それよりテニスしようよ、と。なんか、この街、テニスが社交の道具になってるのか。ま、私もテニスのおかげでジュリアンと仲良くなったしな。


2/12(土)

 ジュリアンと国内小旅行。少しだけだが初めてこの国で運転させてもらった。南の某Bへ。海辺で景色いいけど風強くて寒すぎ。食事と散歩とドライヴ以外の時間は、ホテルの部屋にこもりきり。やることはあれしかない。あればかりずっとやってた。服着てる時間短かったな。


2/13(日)

 少し北上。今日は天気が悪かったので、食事に出た以外、ずっとホテルでセックスざんまい。


2/14(月)

 ヴァレンタインだから、とジュリアンが花束くれた。あ、そうか。2/14か。日本じゃ女が男にチョコあげるんだっけ。私はほとんどあげたことないけど。元彼にさえあげ忘れて流石にやばいという思い出あり。

 っていうか、花をもらえて、すなおに嬉しい。私もジュリアンになんかあげなきゃ。チョコレート買おうか。忘れていたということを感づかれないように。


 今日はロンドンに出て、ジュリアンとオールドマスターをてんこ盛りに見た。マスターピースをこんなに大量に浴びるように見たのは久しぶり。やっぱ、これ、時々やらないと枯れちゃうから。

 ジュリアンとまわったので、技法とかあれやこれや議論しながら見たので一日費やした割にはあんまり枚数見てないかも。技法議論で、私が憶測であれこれ時節を述べると、彼がすぐにスマホで論文検索して学術的裏付けの有無を確かめやがる。げ、何で論文一瞬で読めるの?こんくらいリサーチの速度がないと世界を相手にできないのか。私の英語力じゃとうていダメじゃん。なんかしょんぼりしてしまう。


 定期的に英語がダメダメで沈み込んでしまう。今日もめちゃ激しく沈んだ。ジュリアンにめちゃ慰められて、僕と話してれば大丈夫だよ、誰でも英語できるようになるよといってくれるんだけど。ネイティヴに英語コンプレックスがわかってたまるか、と思ったけど、そんなことは彼には言わなかったけど。


 今日のセックスは全面私が主導権という感じの展開。私が沈んでたせいか、彼がそういうふうにもっていってくれたみたい。私からキスして、ジュリアンを押し倒して、脱がして、最初から最後まで私が上。中イキできそうになかったから、2回戦目、ジュリアンのをディルドに見立てて挿入した状態で、彼の上で指で自慰イキさせてもらった。これやってみたいけどやったことがない妄想の一つだった。実現してしまった。快感強すぎた。私がいく時、多分彼も一緒に射精してくれてた。コンドームに精子たまってたから。


2/15(火)

 今日の筋トレセミナー、胸筋の集中トレだった。レッスン後、アーダと筋肉具合を比べ合ったら、彼女めちゃパンプしてた。やっぱ白人すごいわ。でも、私も当社比ではずいぶん胸筋ついた。胸のふわふわのの柔らかい部分の上のところに筋肉がつくと、デコルテから乳首の先までいい感じのスロープができて、おっぱい全体の形が良くなるように見える。そういうの目指してたけど、少しそうなってきた気がする。

 そんなこと考えて鏡見ながら自分の胸揉んでたら、アーダに乳首吸われた。ちょっとピンと感じてしまう。


2/16(水)

 エッセイの修正。なんか英語の問題というより、論理構成がダメダメだったようだ。もはや英語の問題以前、私のアタマの問題もあるのだろう。英語もできないし頭も悪いとなったら、どうやって生きていけば良いのか・・・ 泣きそう。



2/17(木)

 セミナーサボって、ロンドンの美容院へ。こっちきて初めて。アジア人の髪でもちゃんと仕上げてくれると評判の美容師さん。あや先輩に教えてもらったとこ。我ながら可愛くなった。というか強そう?になった。

 日本人女子的ぐんにゃりから、これで少しは脱却できたか?やっぱ見かけだけで強そうに見えないと、競走でやられちゃうわけで。筋肉もついてきたし、少し自信が得てきた。


2/18(金)

 書かなきゃいけないやつあるのに。うだうだ。

ウクライナ出身の女の子と話をする。やはり、偶発がこわいよね。


2/19(土)

 楽しみにしていた、某大御所のレクチャー、結局リモート開催になってしまった。残念。めちゃ、知的刺激に満ちた、それから創作意欲を沸かせてくれるお話しだった。それに、なんか、英語、また少し聞けるようになったかもという自分が嬉しかった。なのに、レクチャーが終わった後、これにて終了となってぱたぱた画面が閉じられていくのは悲しい。

 私のような下っ端学部生は、大学とかそういう世界がオンラインになってしまうと偉い人と知り合いになれるかもしれない機会が失われるのは痛い。これ、将来の可能性が狭まっちゃうのでは?いろんな年上の人から、「仕事っていうのは能力があるのは大前提だが、それに加えて、結局、助けてくれるのは知り合いや友達だよ」という話を聞かされてきた。その真偽はわからないけど、でもそうだとしたら、10年後の自分とかだめになっちゃうんじゃないのか。なんか有害物質の漂う空間で暮らしてて、20年くらい経ってから自分の置かれてた境遇が適切じゃなかったって後から判明するのに似ているのか?訴求的な実証は難しいし、人生はやり直せないから、こういうのってどう考えたらいいのだろう。

 やばい、コロナ禍特有の負の思考に入ってしまった。というわけでこの辺で、終わりにします。


2/20(日)

 例のメンバー8人ほどで某ギャラリーにプロテスト・アート作品見にいった。

思うこと、色々。これ、後でペーパーにしなきゃならない案件だから、ここには書かないことにする。一回日本語で書いてしまうと、同じネタで英語書こうとしてもなぜか全然書けなくなるという習性があるので。習性というか単に能力が低いだけかも・・・


2/21(月)

 だめだ。何もやる気なし。


2/22(火)

 ヨガと筋トレクラスの後、大学図書館へ。資料集め終わって外へ出たところでジュリアンとばったり遭遇。今日は会える予定はなかったので嬉しい。

 カフェテリアで隣り合ってお茶。ジュリアンは今日は夕方セミナー報告があると聞いていたので、邪魔しちゃいけない。そろそろ、と切り上げようとしたところ、「ねえ、どうしてもアンが欲しい」とあっちの方を催されてしまう。「え?どこで?」「どこか物陰で」「え、無理。それに時間ないんじゃない?」「すぐ済ませるから。」なんだよ、私性欲処理具かよ、と思わずにわいられなかったけど、でも子犬の懇願のような潤んだ彼の目を見ていたら、しょうがないな、と。


 で、辿り着いたのが演習室が並んでいる校舎の廊下の奥の物陰。さすがに人がきそうで躊躇われた。こんなところでのセックスは避けたい。要はさっさと射精させて彼をスッキリさせて仕舞えばよいのだ、と、ガチのセックスしたいと言い出す前に彼の前にひざまづいて、ズボンを下ろしてあれを取り出してフェラチオした。

 ばかばかしいけど、こういうところでフェラする自分に妙な興奮を覚えた。とにかくフェラだけ射精させるべくがんばった。色々工夫した。途中で何度か入れたがる素振りを見せたが、口を離さず頭を振り続けた。数分後、私の口の中に射精。全部飲み込んだ後、満足感を高めてもらうためにさらに吸い取るようにしばらく咥えていた。

 にもかかわらず「アン、やっぱり入れたいよ」と。なに?精子まで飲んだのに。そんならフェラなしで最初からそうすればよかった、と、ちょっとむかっとした。今日は久々にニットワンピース着てたので、くやしいことに後ろからコートと一緒にひょいとまくられるとすぐにお尻を出せてしまう。タイツを足首まで下ろされ、いわゆる立ちバックで挿入される。勝手にこういうことされて軽くムカついてたけど、壁に両手をついてお尻を突き出した状態で、後ろからガンガンされて、意思に反してその部分にそれなりの快感を覚えてしまった。挿入前からめちゃ濡れてたし。厚かましくも勝手にブラのホックも外して後ろから胸も揉まれる。コンドームなしだったので心配になって、「外に出してね」というと「わかってるよ」との返事。ものの2,3分後に射精。おしりの臀部にかけられたので、滴って足首まで下ろされた黒いタイツにたれてしまった。もう最悪。

 射精するとジュリアンは、「まずい、もう時間だ!ごめん、先に行くよ。愛してるよ。」とスカートたくし上げられて精子をおしりにかけられた私をそのままに残して行ってしまった。え?まじ?これってレイプみたいじゃない?

 よく見るとスカートにも精子飛ばされてる。勉強の合間の性欲処理に都合よく使われたみたいで、今回はかなり怒りを感じた。夜、彼からメッセージがあったけど無視した。電話もなったけど無視した。


2/23(水)

 次の日、授業の帰りにジュリアンが待ち伏せしていて、昨日は置いて行っちゃってごめん、怒ってる?と、やさしい。ここで簡単に折れたらダメだと思って、黙ってた。彼の謝罪を聞きながら歩いてたら、私のフラットの入り口まで来てしまった。別れ際、じゃあ、今日はキスだけさせて、と、強引にキスされる。それが挨拶のキスじゃおわらず舌が絡み合う。結局、彼を部屋に入れてしまって仲直り。

 今日のジュリアンは謝罪モードだったので、すこしだけ私が攻めのセックスになった。昨日の報復としてすこし乱暴にしてみた。しかし女が男をレイプ風にセックスするのってどうやったらいいんだろう。「女の性欲処理に僕の体が使われちゃった・・・ぐすん」って気持ちにさせてみたい。


2/24(木)

 朝起きてBBCつけてロシアの軍事行動を知る。この一週間、ウクライナのニュースばかりで、いろんな情報が耳に入ってきたけど、やはりこうなったか。聞き齧っていたこの街の専門家の方々も、きっと軍を動かすだろうというのが事前の大方の予測だったし。

 ただ、戦間期のチェコ解体の手法に似てるのでは、とか思ったりしていたのだが、こうくるとは。ま、あの時と今の違いは核兵器があるかないかという、安全保障上、決定的な違いがあるしな。

 それに昨年から核兵器の使用可能性も示唆されてたし。限定核使われたらやばいんじゃない?日本に対しても戦術核とか使われた日米安保も機能しないかも、とかいう見解も聞いたことがあるし。


 戦争が大きくなったら、日本帰れなくなるのか?ロシア上空は飛べないから、南回りか北米経由か?しかし北極圏側を通るのは危険だしな。ソ連の影響圏に入りつつあるって、この国の士官が言ってたしな。


 反戦作品作るしかないな。プライベートにはウクライナの友達が心配。


2/25(金)

 3回目、ブースター摂取うけた。針の痛みはなし。モデルナは副作用が強いということだけど、日本で一回目も二回目もモデルナだったから、今回またモデルナを選んだ。ここではあんまりモデルナを選ぶ人はいないみたいで珍しがられた。日本人はモデルな打ってるから感染者数が少ないのか?とか聞かれたけど、そんなことはないだろう。感染者の絶対数が少ないのは検査数が少ないからなわけで、でもそのことは黙っておいた。

 ウクライナの友人とface timeする。彼女の元気そうな顔を見て少し安心したけど、やっぱめちゃ不安そう。たくさん励ましたけど、何してあげられるのかわからない。

 8時間経ったけど、今のところ副作用なし。2回目摂取の時は3日間完全に死んでたからな。ま、一応明日は何も予定入れてなくて一日ぐーたらするつもりだけど。倒れたら、アーダに世話してもらおう。


2/26(土)

 だめだ。死にそう。未明に副作用で目が覚めてしまって、朦朧とする。しかもこういう時に限って整理が始まる。

 朝食も昼食もアーダが作ってくれた。優しすぎ。恋しそう。惚れちゃう。夕方から回復。アーダがが肉料理、私はパスタ料理を作って一緒に食べる。


2/27(日)

 今日の午前中で、服作用から脱却。ぶっ倒れているうちに、ウクライナ情勢がずいぶん悪い方向に進んでる。

 キエフの友人にもう一度連絡してみたが、繋がらない。泣きそう。

プーチン、ウクライナはネオナチとか言ってる。なに寝ぼけたこといってやがんだ。

 明日はスピーチだ。冒頭に、やはり昨今の情勢を一言入れるべきだろう。政治外交問題だから、言葉選びには神経使うな。Foreign Officeから来てる院生のSに相談してみよう。


2/28(月)

 昨日の夜、寝ようと思ってたら、キエフの友人から電話が。メッセージを読んでくれたんだ。お母さんと一緒にポーランド経由で、今、ベルリンに到着したとのこと。落ち着いたらイギリスに渡ってしばらくロンドン疎開する予定とのこと。

 会えるね!と、気持ちが昂ってしまった。でも、お父さんと弟はウクライナ出国できなかったって。


 今日のスピーチ、無事終了。ほっ。

 まあまあだったかな。なんか日本語よりも緊張しないかも。日本語は母国語だけど、大勢の前で話す時は母国語じゃないみたいになるって感じがする。私だけかもしれないけど。ジュリアンに英語のイントネーションを、かなり振り付けてもらって練習したので、話してる時は言葉を語るってより、歌を歌う感じに似てた。歌詞の意味考えないで歌ったからリラックスした、みたいな。

 明日はウクライナとロシアそれぞれの留学生の対話集会の傍聴に誘われた。もちろんでかけるつもり。

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