第13話 最高位の魔法石を求めて
そう言った理由から
アルは冒険者ギルドの資料室にある
(ふむ・・・・・・・・・
アルは
世界五大属性とは、火、氷、地、雷、水の五属性の事を指す。それぞれ有利属性と弱点属性の相関関係にある。風属性に関しては何故かこの五大属性に属していない。『魔法使い』ではないアルには到底分からない事であった。文献等の資料にも詳しく載っていない。
(しまった!! ノイの事をほったらかしにしてた・・・・・・・・)
アルがゴッツから地図を受け取ってすぐに資料室に向かう際に、ノイに何の断りもしていなかった事に気が付いた。
(ヤバイ・・・・・・・・ ノイのヤツ、かなり怒ってるかも・・・・・・・・)
アルは一人置き去りにされたノイの事を思い、冷や汗が止まらなかった。アルはすぐにその資料室を出て、ノイを探した。
「すまん、ゴッツ! ノイが何処に行ったか知らないか?」
「いや、知らんな。なんだちゃんと約束等してなかったのか?」
「うぅ・・・・・・・・ 金が無いのに焦って、何も言わずに資料室に籠ってしまった」
「いかんな、それじゃ。女の子は大事にしなきゃいけんぞ?」
アルはゴッツの言い分に返す言葉がなかった。しかし、この冒険者ギルドでうだうだしていても仕方なかった。アルはとりあえず冒険者ギルドを出て、ノイを探しに行こうとした、
その時、
「ノイ!?」
ノイが冒険者ギルドの扉を開けて中に入ってきたのだ。何故か彼女の顔はニコニコしている。しかし、アルはそのノイの笑顔が逆に怖かった。
「アル君、どうしたの? そんな焦った顔して?」
「えっ? い、いや、何でもない・・・・・・・・」
「ふ~ん、変なアル君。それよりも、ゴッツさん。ちょっとギルドの依頼書を見たいんだけど、いい?」
「あぁ、いいぜ。ちょっと待ってなっ! よいしょ、これが依頼書だ」
ゴッツは大量にある依頼書を横の机に置いた。ノイはゴッツに感謝を述べ、その依頼書を一枚一枚捲っていった。アルは普段依頼者なんて見ないノイに少し困惑していた。
「え~っと、何してるの?ノイ?」
「何って、依頼書を見てるの! アル君はちょっと黙っててくれるかな!!」
「う、うん・・・・・・・・」
いつになく真剣なノイにアルはたじろいだ。それにさっきの件で後ろめたい気持ちもあり、アルはそのまま押し黙った。依頼書の束はかなりの数があるが、ノイはそれらを隈なく素早く目を通した。
そして、一枚の依頼書を引き抜いた。それは見るからに年季が入っていそうで、ボロボロであった。ノイはそれをゴッツに手渡した。
「ゴッツさん! これも一緒に受けたいんだけど!」
「どれどれ・・・・・・・・・ えっ? こ、これを受けたい、の、か・・・・・・・・・・?」
「そうだよ! 依頼期限は無しって書いてあるし、いいでしょ?」
ノイは満面の笑みでゴッツにお願いする。ゴッツにとしては特に断る理由が無いのが逆に困った。
「ゴッツ、何で困った顔をしているんだ? その依頼ってのはどういった内容だ?」
「あぁ、そうだな・・・・・・・・・・ これはな、アル。『ザラス鍛冶店』の前店主のジョーラットが依頼したもので、『
「そうなんだ・・・・・・・・・ お父さん亡くなってるんだ・・・・・・・・・・」
ノイは小さく呟いた。誰にも聞こえない声で。
「どうした、ノイ? 何か言ったか?」
「な、何でもない。とりあえず、それ受けるからね。ゴッツさん」
「あぁ、期限を設けてないから断る理由もないしな。―――――まぁ、期待せずに探してみろ!」
アルとノイは冒険者ギルドを後にして、明日からの
「あっ、しまった! ノイにあの依頼の達成報酬を言ってなかった・・・・・・・・・・ まぁ、いいか。 どうせ見つけられやしない」
ゴッツはノイに渡した大量の依頼書を片付けながら大きな独り言を呟いた。
🔶
ツクヨは
その
魚に限らず、農作物も赤色に育つことが多い。紅玉玉ねぎ、赤長ネギ、鮮血大根など様々だ。因みに、トマトなどの初めから赤い野菜は普通に赤いだけで、特に変わった様子は見られない。
そんな温泉の街『プベツイン』の名物の1つでもある
(退屈ねぇ~)
ツクヨは脇に差してある妖刀
(はぁ~、あまりこの街に長居出来そうにないわねぇ。でも、次に行く宛もないのよねぇ・・・・・・・・・ 何処かのパーティーに入れてもらおうかしら・・・・・・・・・・)
ツクヨがその高級店のテラス席で退屈そうに、独り心の中で呟いていると、その退屈そうな瞳の端にフードを目深に被った男二人組が大通りを通りすぎたのが映った。ツクヨは思わず口元が緩んだ。
(いい退屈しのぎ発見♪)
ツクヨは自身が座っていたテーブルに
🔶
ニル大陸有数の山、通称『グレグラ火山』。麓の一周は150キロメートル程もあり、かなり大きい。その長い一周の麓には幾つか山道へ通じる入り口がある。
アルとノイはその一つである南側の入り口、温泉の街『プベツイン』からすぐの山道を登って、件の
いつもの様にアルが先行し、その後をノイが付いて行った。所持金の少なさに焦りがあるアルであるが、魔物討伐に関しては自然と慎重になる。しかし、盾を新調する余裕が無かったので、両刃剣のみ装備している。
事前の調べで、
その洞窟を入って程なくすると、すぐに一体の
「アル君!!」
ノイの呼びかけが聞こえる。アルはその
(お、遅い・・・・・・・・・・)
アルは
「アル君! 大丈夫?」
ノイが心配してアルの元へ駆け寄るが、アルとしてはかなり拍子抜けの相手であった。
「うん、全然大丈夫。思ったより弱かった・・・・・・・・・・・」
「そっか。なら良かった。じゃ、素材回収してドンドン討伐して行こ?」
「そうだな。この調子なら金の心配もすぐに解決しそうだな」
アルは
アルとノイはその後も順調に
ノイは戦闘以外終始辺りをキョロキョロ見ていたが、アルはいつもの事だろうと思い、特に気にしなかった。
二人は魔法の素材袋が一杯になるまで討伐した所で、街へ帰還した。
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