第12話

さて……授業中というのは、皆、どんな反応をするだろう?まあ、好きな奴もいれば、勿論、嫌いな奴だっている。で……その授業内容というのも、世の中の為になったり、自分の知識が増える実感が出てくるのかも知れない。まあ、何が言いたいのかと言うと、一言で言う。

授業は、苦痛だ……と。

そんな苦痛な授業を受けながら、今後どうするか……?を考える。

まず、今日やる事は……ゲーム「ラブチュチュ」の攻略対象者の一人と今の俺の兄、初崎孝之との仲を進展させる感じで動こうと思う。

今現在、初崎孝之に一番好感を持っているのは、俺……初崎由希乃なので、このまま行くと、兄に攻略されてしまう可能性出てきそうだった。この初崎由希乃は、初崎孝之の妹と言う設定らしいので、家族愛なら解りそうなんだが……ネットサイト「ラブチュチュマニア」の書き込みを見たら、初崎由希乃は隠しキャラで、攻略可能キャラらしいので、これがゲームだったら、今の俺も孝之に攻略されてしまうと言う事になるみたいだった。

実際、ゲームの設定が少し入っているからか、なんか……孝之の事を思うと、少しドキドキしてしまうので、攻略されつつあるのかも知れない。でも精神は、男のままなので、絶対に攻略されたくないな……とは思っているのだが、ちょっとは良いかな……とか考えているのも事実だった。

と、とにかく! 他の攻略対象キャラと孝之をくっ付ける事にするか!と、決めたので、誰と孝之をくっ付けるかだが……、ここは最有力候補の、孝之の幼馴染、西村舞とくっ付ける事にするか!と決めて、授業が終わったら、行動する事に決めた。

時間が過ぎて行き、お昼の時刻となっったので、俺は教室から出て行く。

まず向かった先は、二年の教室で、西村舞がいる教室に行く事にした。

二年生の教室に辿り着き、中を覗いて見る。

クラスに残っているのは、数名の男女で、その中に西村舞の姿を発見。

発見したので、クラスの中に入り、西村舞に話しかけてみる事にした。


「こんにちはです、舞先輩」


「あ、由希乃ちゃん、どうしたの? もしかして……孝之に会いに来たの?」


「いえ、そんなんじゃないです。えっと……お兄ちゃんは?」


「孝之なら、気がついたらいなくなってたわよ? 全く……何所に行ったのかしらね……」


「そうですか……」


さて、話しかけたはいいが……この後どうするかだよな?とりあえず……孝之とくっ付ける方針と決めたので、孝之と会わせる事が先決だよな? なら……


「あの……お兄ちゃんが何所に行ったのか? 一緒に探しに行きませんか?」


とりあえず、そう言って見て反応を伺ってみると


「そうね……お昼休みも終わっちゃうし、じゃあ一緒に探しましょうか? 由希乃ちゃん」


「はい、解りました」


これで、舞との行動が確定したから、あとは孝之が何所にいるかだよな……?とりあえず……いそうな所に行ってみるかと決めて、俺は舞に


「舞先輩、とりあえず……食堂に行ってみませんか? もしかしたら先に行っているかもですし」


「そうね、行ってみましょうか」


「はい」


舞と行動する事になって、校舎の中を移動。数分後、食堂に辿り着く。中に入ってみると、結構な人がいて、ちょっと混雑していたが、その中に孝之の姿を発見、誰かと話しているみたいだった。話している相手を確認してみると……あれって、孝之の同じクラスの沖島ユウじゃないか?って思ったので、改めて確認してみると、やっぱり沖島ユウだった。

但し、沖島ユウの姿は男物の男子学生Verなので、服装的には男同士で語っているのだが、中身は男女の会話となっているので、この場合、どうすればいいんだ?って思ってしまった。そう思っていると


「あ、孝之いたわね……って、隣にいるの沖島君だ……」


「舞先輩?」


「ねえ、由希乃ちゃん」


「はい」


「沖島君って、由希乃ちゃんから見たら、どう見える?」


「えっと……それはどういう意味で?」


「い、いやほらね? なんかあの二人ちょっと怪しいなあ……と、だ、だって沖島君、見た目、ちょっと可愛いしさ? もしかしたら孝之って……って、私、何言ってるのかしらね?」


「はあ……」


……つまりこう言う事か? 舞は孝之と沖島ユウが怪しいな?と思っている。で、舞は沖島ユウが女の子と言う事を知らない。だったら、男子制服を着ている沖島ユウと孝之は、舞の頭の中では、男同士でラブラブなのかなあ……? と、思っている……って感じか?これは、舞に沖島ユウは女ですってはっきり言った方がいいのか?って感じだが、いや、この場合、そう言ってしまうと、今後どうなっていくのか? 全く解らなかったので、俺は、こう言う事に決めた。


「ちょっと仲が良いって感じに見えるだけですよ……舞先輩、気になるなら、話しかけてみてはどうですか?」


「……そうね、そうするわ」


そう言って舞は、孝之に話しかけるみたいだった。


「孝之、ここにいたのね?」


「舞、来たのか」


「私が来ちゃいけないわけ? で……沖島君と仲良く話してたみたいだけどさ……? 二人で何話してたの?」


「えっとだな……沖島? 言っていいか?」


「……うん、別に僕は構わないよ」


「そっか、いや実はな? 明日学校が休みになるみたいなんだよな?」


「そうなの?」


「ああ、沖島から聞いたんだが、沖島がプリントを職員室に貰いに行った時、先生達が話してたんだとさ? 何でも校長の思い付きらしいぜ? 沖島、どう言う事か話してくれよ」


「うん、何かね? 僕が職員室に行ったら、校長が「書類整理ばっかりで疲れたワイ! 明日は全校休校じゃあ!」とか言っていたから、休みになる可能性が出てきたんだよね。だからさ……明日もし休みになるんだったら、何所かに遊びに行こうかな……とね……」


「とまあ、そんな感じだな? で、舞はどうしたんだ……って、由希乃もいたのか」


「あ、うん……」


やばい、孝之の顔を見たら、少しドキドキしてる感じがする。これは好感度が高いせいで、孝之が好きだからと言う事じゃ無いと信じたい。


「由希乃? ちゃんと家の鍵は閉めたよな?」


「う、うん、それは大丈夫だよ」


「なら良かった、ごめんな? 先に行ってしまってな?」


「べ、別にいいよ……」


「で、孝之? 結局……明日休みになったら、どうするの?」


「そうだな……とりあえず何所かに遊びに行こうと思ったかな? もしかして……舞も一緒に行きたいのか?」


「え、ええ、そうよ? わ、悪い?」


「別に悪くは無いんだが……まあいいか、沖島? 休みになるんだったら、舞も一緒でいいよな?」


「……えっと……孝之がそう言うんだったら、いいかな……うん」


「なら決まりだな」


……このイベントは初めて体験するな?

ゲーム「ラブチュチュ」だと、舞とユウの三人で何所かに遊びに行くというシナリオは一切無かったし。それに明日が学校休みになるかも知れないと言うイベントもゲームでは、無かったので、やはり……隠しキャラの由希乃が出ているから、話的にも変わっているのか?って思ってしまった。なら、今後の展開が全く予想がつかないので、どうすればいいんだ……って、思っていると


「あ、そろそろ昼休み終わるし、教室に戻ろうぜ? またな? 由希乃」


「あ……うん」


「あ、ちょっと私も行くわよ?」


「……僕も、同じクラスだし」


三人がそう言って、食堂から出て行く。

あ……結局、お昼食べ損ねて、時間が来てしまったので、とりあえず……自分のクラスに戻る事に決めたのだった。

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