第8話
気がつくと、そこは見慣れない光景が広がっていた。部屋の中はピンクで統一されてるし、いつも俺が使っていた部屋とは全く違うと言うか……って、思い出した。
確か俺は、ギャルゲー「ラブチュチュ」をプレイして、そしたら……何故かゲームの中に入ってしまったんだよな……と
で、改めて自分の体を確認。はい、正真正銘の女の体でした。しかも美少女、俺が普通の男だったら、こんな美少女と付き合いたいぜ……ってなるのだが、今じゃそんな事を全く思わなくなってしまったと言うか……なんか……気持ちがやばい感じがするんだよな?
思考も何と言うか、女性寄り? みたいな風になっている気がするしな……?
とりあえず……今日は、他の攻略者、高村菫と会う事から始めるとするか……
そう思う事にして、とりあえず……朝食をとる為、部屋の外に出る事にした。
今現在、この家の中にいるのは、今の俺、初崎由希乃とその兄、初崎孝之の二人だけの状態となっているみたいなので、はっきり言うと、貞操の危機をビシビシ感じる。
しかもその孝之が言うには、前の由希乃はブラコンだったらしく、お兄ちゃんになら何されても構わないよ……?的な、感情だったらしい。
今は俺なので、そんな事は思いたくは無かったんだが……? けど孝之に対しての好感度が50となっている状態なので、少し心が変な感じがした。
と、とりあえず……孝之の事は考えるのをやめよう……そう思う事にして、リビングに向かう。リビングに辿り着くと、そこには誰もいなく、静まり返っていた。
誰もいないので、俺はキッチンに行き、冷蔵庫を開けて、中身を確認する。
使えそうな物を調べて、その食材で簡単な料理を作る事にした。調理方法は、作った事のある料理だったので、その肯定はバッチシと覚えていたので、ミスる事無く完成。
味見したので、特に不味いという事は無く、結構美味しく出来上がった。
黙々と食べていると
「お、由希乃が朝食作ったのか」
そう聞こえてきて、ドキッとしてしまった。
何で俺がドキドキしなきゃいけないんだ!って思うのだが……これもゲームの好感度のせいと思いたい。断じて、孝之に惚れてるからと言う事はないと思いたい!絶対にな!
そんな事を考えていると、孝之が
「旨そうだな……俺の分はあるのか?」
そう聞いて来たので
「お兄ちゃんの分は作っていないんだけど……」
そう言ってみると
「何だよ……しょうがない……遅刻すると不味いし、今日は飲み物だけでいっか……」
そう言って、冷蔵庫を開けて、飲み物だけ飲むみたいだった。孝之が飲み終わった後、リビングから離れていく。俺も作った物を食べ終わったので、初崎由希乃の部屋に戻る事にした。
部屋に戻り、着ている服を脱いで、下着姿になる。その姿を見て改めて思うのは、肌が綺麗だから清潔な感じがするな……と言う事だった。
とりあえず……こんな事を考えていても、しょうがないので、学校指定の制服に着替える。
着方はもう覚えてしまったので、戸惑う事は無く、あっさりと着こなす事に成功。制服に着替え終わった後、持って行く物を確認して、家の外に出る事にした。
家の外に出ると
「おはよう、由希乃ちゃん」
そう言って来たのが、隣の家の女の子、西村舞だった。うん、何で家の前にいるのだろうか……?これはあれか? 幼馴染だから「べ、別にあんたの為に待ってた訳じゃないんだからね?」とか言う奴か? いや……違うな。明らかに兄、孝之の待ち伏せをしているので、昨日は断られたから、今日は一緒に登校したいから、ここで待っていたんだろうと推測出来た。
なら、俺が今ここで取る行動は……と
「舞先輩、お兄ちゃんに用事ですか?」
「え、ええ……そうよ」
「そうですか……昨日は兄がすいませんでした、舞先輩、お兄ちゃんと一緒に登校したかったんですよね?」
「べ、別にそう言ってる訳じゃ……」
「いいですよ、私、先に行きますんで、それじゃあ舞先輩、お兄ちゃんを宜しくお願いしますね?」
「……え、ええ」
良し、完璧だな? こうすれば、俺の孝之に対しての好感度は上がらないと思われる。
ついでに西村舞のステータスを確認するか……
そう決めたので、俺は、スマホを取り出して、ラブチュチュマニアを開き、ステータス、西村舞を検索、画面に現れたのは
西村舞
B86 W65 H65
恋愛度35と表示された。
お……? 昨日の数値が少し違っている。
昨日は恋愛度が30だったのに、今日は35になっているので、もしかして……今の行動で上がったのか? と思うのだが……でも、好感度が上がる場合、ピロリンと音がなると言うのが解ったので、その音は鳴っていないな……と、となると……別の事で、好感度が少し上がったと言う事になるのか?まあ、考えていても仕方が無いし、モタモタしていると孝之が家から出てきちゃうしな……? とりあえず俺は、舞と別れて、学校へと行く事にした。
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