第5話
通学路と思われる道を歩いていて、思った事は、俺のいた世界とあんまり変わんないんだな……と感じた事だった。
空を見ると、見た事のある飛行機は飛んでいるし、車道には車が走っていて、自転車で移動する者や、学生とか、とにかく……見た目は俺のいた世界と、ほとんど変わってないんだと思われる。じゃあ、使用通貨はどうなっているんだ?って感じだが、この分だと、使用通貨も一緒じゃないか?って感じだった。
兄の孝之と歩いて数十分後、高校にたどり着く。高校は奥に建物があり、前がグラウンドになっているので、ここが通っている高校なんだと思われる。校門と思われる門の前に、ジャージ姿の先生らしき人物がいて、服装のチェックとかしているみたいだった。その先生がいる校門を通り、全く声をかけられなかったので、多分と言うか、大丈夫なんだな……と思った。校舎の中に入り、兄の初崎孝之が
「じゃあ、俺、こっちだからな? じゃあな」
「あ、うん」
と言って、俺から離れていき、一人ぼっちになってしまった。一人になって、気がつく事は……俺……上履きの場所、判らないじゃん……と言う事で、こういう場合、誰に聞いたらいいんだ? と思い、辺りを見渡すと、ほとんどの人が、自分の靴箱に靴を入れて、さっさと自分のクラスに移動している。
どうすればいいんだ……と悩んでいると
「あれ? 由希乃、どうしたの?」
俺に声をかけて来たのが、ゲーム「ラブチュチュ」のメインキャラの一人、水無月あかねちゃんだった。俺は、あかねちゃんに
「えっと……自分の上履きの位置が、判らなくて……」
「あ……じゃあ、自分のクラスの事も忘れちゃったとか?」
「う、うん」
「そっか……じゃあ、私が助けてあげるよ? 由季乃のは、ここね?」
あかねちゃんが言うので、俺は言われたとおりに靴箱を開ける。中に初崎と書かれた上履きが入っていて、上履きの色が赤色だった。
これ……学年ごとに色が振り分けられてるのか? と思いながら、靴を脱ぎ、上履きに履き替えて、あかねちゃんについて行く事にした。
校舎の中に入り、階段をあがって、二階に辿り着き、1の1と書かれた教室にあかねちゃんが、入って行ったので、俺も一緒に中に入る。
中に入ると、数人の男女がいて、女同士で話し合っていたり、男同士で話しあっていたりしていた。
「由希乃、由希乃の席はここね?」
そう言って、あかねちゃんが指さしたのが、窓際の一番後ろの席だった。俺はあかねちゃんに「ありがとう」と言って、指定された席に座り、鞄を開いて、中身を机の中に入れる事にした。入れ終わった後、どうしようか……と考えて、教室内を見渡す。見た感じ、男子生徒と女子生徒の比率が、半々で、大体……20人ぐらいか? と思った。
この中で、この初崎由季乃と親しい人物は誰なんだ? と思い、観察してみると、誰も俺に話しかけてくる者がいなく、とりあえず……あかねちゃんを見てみると、あかねちゃんは、一番前の席に座っていて、ノートに何か書いているみたいだった。一体何を書いているんだろうな……? と、気になって動こうとしたら、チャイムが鳴って、担任らしき人が、教室内に入ってきた。
見た感じ、二十代ぐらいの長髪で黒髪の美人さんで、特徴的なのが、胸のサイズだった。
目測で……F以上はある爆乳で、着ているスーツの胸元から、うっすらと下着? のような黒っぽい物が見えて、何と言うか……かなり色っぽく見えてしまっていた。
爆乳美人教師って、エロゲーとかに出てきそうなキャラだよな?そういや、一回もゲーム「ラブチュチュ」に登場しなかったよな? この先生……登場したら、かなり人気出るんじゃあないかと思ってしまった。
「はい、皆、おはよう、では出席を取るわね?」
そういって、出席を取っていき、俺の名前も呼ばれたので「はい」と返事をする。
出席を取り終わった後
「うん、休みはいないみたいね? じゃあ、連絡事項だけど、来週に中間テストとなっているわよ? ちゃんと勉強をしていれば、解ける問題を作成中だから、皆、ちゃんと勉強するようにね?では、授業を始めたいと思います、教科書とノートを出してね?」
そう言われて、何の教科書を出せばいいんだ? と思い、他の奴を見てみると、オレンジ色の教科書を出しているので、机の中を漁って、オレンジ色の教科書と、ノートと筆箱を出す事にした。これで間違っていない筈なので、とりあえず……大丈夫そうだな……と、思い、授業を受ける。授業内容はというと、何と言うか……前に習った所だった。
俺が習った事を覚えているので、教科書に書かれている文字もしっかりと読めるので、これなら大丈夫そうだった。
しかし……授業中と言うのは、かなり退屈だった。美人先生に教えて貰うと言うのは、かなりいいシチュエーションなのだが、それは男だった場合で、今じゃ、見た目も容姿も完全に女なので、ちょっとがっかりだった。
しかし……移動するたびに、ゆさゆさと胸揺れてるな……よく観察してみると、クラスの男子の奴ら、先生の胸に視線を集中してないか? あれ……まあ、気持ちは判るようなものだけどな……そんな事を考えながら、とりあえず、黒板に書かれた文字をノートに書いていく事にした。時間が過ぎていき、授業が終わって、休み時間に突入したようだった。
この時間に次の授業の準備をするみたいだったので、けど何の授業かはさっぱりと判らなかったので、どうすればいいんだ……?と思ってしまった。クラスメイトを観察してみると、教室から出て行っている。
じゃあ、移動教室なのか? と思ったが、何を持っていくのか、全くと言っていいほど判らないので、まだ残っているあかねちゃんを頼るしかないよな……と思い、あかねちゃんに
「あかね、もしかして……次の授業って、何所かでやるの?」
「うん、そうだよ……次の授業は理科だから、理科室に移動だよ? あ、そっか……由季乃ちゃん、記憶喪失だったよね?」
「……うん、だから持っていく物も、理科室の場所も判らなくて」
「そう……じゃあ、私が手助けしてあげるね? 持ち物は、この教科書とノートを持っていくだけで、十分だよ?」
そう言ったので、同じものを机の中から探し出して、見つかったので、あかねちゃんと同じものを持って、あかねちゃんと一緒に移動する事にした。改めて思うと、あかねちゃん……マジでいい子って感じ。俺の中で、ぶっちぎりに好感度があがっている。こんな子が、ゲームだと「孝之先輩、大好き……」と言って、胸を見せたり、キスしたりしてんだよな……うっわ……なんか、むかつく……
まあ、その場合はあかねちゃんの好感度が、MAXに近い状態の場合なので
低かったら、そのようなラブイベントは起きないから、どうか、あかねちゃんの好感度、低い状態でありますように……と、思い、あかねちゃんに聞いてみる事にした。
「あかね」
「何? 由希乃」
「お兄ちゃんの事、どう思っていたりするの?」
「うーん……そうだね……由希乃のお兄さんって感じかな? 優しいとこもあるみたいだけどね?」
「じゃあ、付き合ってないよね?」
「まっさか~多分、先輩には好きな人いると思うよー」
「そっか」
よし! どうやら、水無月あかねの孝之に対する好感度は、低いようだった。じゃあ、後は……先輩の高村菫、 孝之の同級生の沖島ユウと幼馴染の西村舞、風見里子の四人だな……と思い、あと……もしかしたらと思い、スマホを取り出して、ラブチュチュマニアサイトを開き、ステータス、水無月あかねと検索かけてみると、画面に現れたのは
水無月あかね
B70 W59 H60
恋愛度10と表示された。
どうやら……他人のステータスも見れると言う事がこれで解り、恋愛度が10なので、これって孝之に対しての恋愛度だと思うので、好感度が低い状態だと言う事がこれで解った。
「ん? どうしたの? あかね? 立ち止まって?」
「ううん、何でもないよ」
俺はスマホをあかねちゃんに見えないようにしまう。移動する事になってるので、次の授業が行われる場所へと移動する事になった。
あかねちゃんについて行き、辿り着いた場所は、理科室と呼ばれている部屋で、中に入ると、薬っぽい匂いが漂っていた。テーブルと椅子があったので、俺はあかねちゃんが座った席の隣に座る事にした。
座ってから待っていると、チャイムが鳴って、先生らしき人が扉から入ってくる。
先生の格好はと言うと、男の人で、メガネをかけていて、白衣を着ていたので、何と言うか……知的な男?って感じに見えてしまっていた。
「みんな、集まったな? じゃあ、早速授業を始めるぞ、今日の授業は、この前やった、爆弾の仕組みについての続きといこう」
……っは、ちょっと待て、爆弾の仕組みだと? なんちゅーもんを教えているんだ? この先生は?はっきり言って、やばいんじゃないか? この先生。
そう思いながら、先生が「爆弾の仕組みとは、まず火薬が必要であり」とか言っている。
しかも、「ここ、テスト問題に出すから、しっかりと覚えておくようにな?」とか言っていた。
……大丈夫か? この学校。
そう思いながら、授業が進んでいって、チャイムが鳴った。
「む、まだ話し足りなかったが、今日の授業はここまでとする、次の授業内容だが、銃の使用方法、仕組みについて教えようと思う、では、また」
そう言って、先生が理科室から出て行く。
……まじでやばい先生じゃないのか? あの先生……そう思っていると、あかねちゃんが
「由希乃、授業終わったから、教室に戻りましょう?」
そんな事を言って来たので、俺は「うんと言って、あかねちゃんと一緒に移動する事にしたのだった。
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