第3話

西村舞の事情は、とりあえず解ったので、これからどうしようか……と考える事にした。

時刻を確認してみると、夜になっていて、外を見てみると、月が見え始めているので、月があると言う事は、ここって、俺のいた元の世界と、ほとんど同じって感じじゃないか? と思ってしまった。

ゲームの中?と思っていたけど、よく考えてみたら、何か食べたくなってきたので、この初崎由希乃と言うキャラは、お腹もすくし、今はないけど、尿意や便をしたくなってくると思われる。簡単に言うと、初崎由希乃と言うキャラに、俺の精神が入り込んだと言う状態じゃないか? これ……

ま、なっちゃったものは仕方がないとして……ゲームをクリアすれば、元の体と元の俺のいた世界に戻れるのか? と言うのも解らなかった。

ま、しょうがないから、なんとかしていくしかないよな……と思う事にして、とりあえず、お腹がすいて来たので、キッチンに向かい、冷蔵庫があったので、中を開けて、中身を確認してみる。

冷蔵庫の中には、何も入っていなかった。

冷凍庫の方も開いてみても、何も入っていなく、おいおい……普段何食って生活してんだ?って感じだった。一体何を食えばいいんだ……と、思っていると


「ん? どうしたんだ? 由希乃」


と、キッチンにやって来たのが、ゲーム「ラブチュチュ」の主人公、初崎孝之だった。

今の俺、由希乃は孝之の義理の妹と言う設定になっているので、俺は、とりあえず


「お兄ちゃん、冷蔵庫に何も入ってないけど……」


俺がそう言うと、孝之が


「あ、そうだった……全部使用しちゃったからな……しょうがない、由希乃? 材料を買いにいくぞ」


「材料を……?」


「ああ、じゃあ行こうぜ」


孝之がそう言うので、情報収集の為、俺は黙って、孝之と一緒について行く事にした。

夜の街は、街灯が照らし出されてあって、家も沢山あり、車も走っていた。

なんか……俺が元いた世界とほとんど変わらないな……と思いながら、夜道を歩いていき、スーパーらしき建物に辿り着く。

名前が「にこっとマート」となっていて、俺がいた世界にあったスーパー「にこにこマート」と結構名前が似ていた。ま、考えたって意味ないよな……と思いながら、スーパーの店内に入り、孝之がかごを持つ。


「由希乃? 今日の夜はどうするか?」


そう聞いてきたので、そうだな……と考えて


「じゃあ、ご飯とか食べたいかも……」


と言うと


「そうか、じゃあ……ご飯物にするか」


孝之がそう言うと、お惣菜のほうに行き、炒飯を籠の中に入れた。よくよく店内の商品を見てみると、俺がいた世界とほとんど変わっていないので、味に関しては美味しいんだと思われる。他に飲み物や、お菓子、野菜や肉など入れて、籠をいっぱいにして、レジに並ぼうとすると


「あれ……もしかして……孝之先輩? こんばんはです」


そう声をかけてきたのが、栗色の髪をツインテールにした女の子だった。と言うか……この子、見たことがあるってゲームと同じ「ラブチュチュ」に出てくるヒロインの一人、水無月あかねちゃんじゃないか! と思い、よく顔を見てみる。ゲーム通りの姿で、普段着なのか、ピンクのスカートにポロシャツを着ていて、結構可愛く見えてしまっていた。


「あ、あかねちゃんじゃないか、こんばんは」


「はい、こんばんはです、あ、由希乃も一緒なんだ?」


ん? 俺の事を知っていると言う事は……もしかして、 同じクラスなのか? とか思ってしまい、どう答えればいいんだ? と考えてしまった。


「あれ? どうしたの? 由希乃」


「えっと……もしかして、水無月さん?」


「何言ってるの? 由希乃、いつもは呼び捨てだったじゃない、孝之先輩、由希乃……どうしちゃったんですか?」


「さあ……なんか、いつもと違った感じなんだよな……由希乃? どうかしたのか?」


「えっと……実は、ちょっと頭うっちゃって、記憶がちょっと混乱してるの……じゃあ……あかねでいいんだよね?」


「そうだったの……うん、いつもは私の事をそんな感じに呼んでたしね? あと、何か判らない事があったら、私に聞くといいよ? 教えてあげるね?」


「ありがとう、あかね」


うん、なんかすげーいい子だな……あかねちゃん。くー! 俺が男だったら、絶対に彼女とかしちゃうのになあ……そう思っていると


「そっか、だからちょっと性格が違ったんだな……」


「お兄ちゃん? 性格が違ったって……前の私って、どうだったの?」


「結構活発だったぞ? こんなにおしとやかじゃなかったしなあ」


「うんうん、体育とか率先して参加してたし、いっつも誰かに話しかけて結構明るかったしね? だって、初めて会った時、由希乃から話しかけてきたんだよ? それも忘れちゃったの?」


「う……うん、ごめんね? あかね」


「ううん、謝らないでいいよー、えっと……二人は夕食の買出しですか?」


「ああ、そう言う事になるな? あかねちゃんは?」


「私もそうですね、ちょっとお腹がすいたので……じゃあ、由希乃? また明日学校でね? それじゃあ先輩、私は行きますね?」


そう言って、あかねちゃんが俺達から離れて行った。今の言葉で、俺があかねちゃんと同じ学校、まあゲームに登場した。私立星陵高校と思われるだろうが、その高校に通っていると言う事が解った。


「じゃあ、俺達も家に戻るか」


孝之がそう言って、会計を済ませて、初崎家に戻る事になった。ちなみに会計に使用したお金は、俺のいた世界で使っていた物と全く同じだった。家に戻った後、買ってきた物を冷蔵庫の中に入れて、炒飯を食べてみる。

味に関しては、かなり美味しく、あっと言う間に食べ終わり、これからどうしようか……と考えていると


「由希乃? 風呂には入らないのか?」


孝之が聞いてきたので


「前の私って、お風呂好き?」


気になったので、聞いて見る。


「ああ、今の時間帯に毎日かかさず入っていたぞ?」


「そう……」


そう言うので、俺はそう言われちゃ入るしかないよな? と思い、風呂に入る事にした。

風呂に入る前に、着替え用意しないと……と思い、一度自分の部屋に戻り、箪笥を開けてみる。中に服やパジャマ、下着が入っていたので、それを持って、タオルも持ち出し、脱衣所に向かった。脱衣所に入って、服を脱いで全裸になる。改めて自分の体を見てみると……ま、まあ……何というか、綺麗だった。

見た目も可愛いので、男にもてるんじゃねーか?とか思うけど、この容姿で、男にもてるとか解らないし、男と付き合うとか今の所、全く考えてなかったので、とりあえず考えるのをやめて、風呂に突入した。

風呂場は結構広く、浴槽も結構大きかった。

シャワーがあったので、最初に髪を洗う事にして、髪を洗っていく。

見慣れないシャンプーだったけど、それを使って、髪を洗ったあと、スポンジで、体を洗う事にした。


「ん……なんか、胸の辺り、触ってると……変な気持ちになるな……」


自分の手で、胸を揉んで見ると、ちょっと変な感じがした。これが感じると言う事なんだろーか? とか思ってしまい、じゃあ、下腹部にあるこれをを触ったら、どうなってしまうんだ? と思ってしまい、でも自分じゃ触るのはなんか嫌だったので、軽く触って、洗う事にした。下腹部を見た感じを一言で言うと、綺麗かな……と思った。

まあ、他の女の子はどうなってるのか? は、全く解らないしな……

体を洗い終わって、湯船に浸かり、体を伸ばす。


「んーなんか、気持ちいいかも……」


ずっと入って、逆上せる前に上がる事にした。

上がった後、タオルで体を拭いていき、下着を履く。女の体なので、ブラもつけなきゃ駄目だよな? と思い、パンティーとブラを装着した。箪笥の中にあったのは、色々な色があったけど、無難に青色の下着をお揃いで装着して、青色のパジャマに着替える。着替え終わって、漏れそうになったので、トイレに行き、用を済ませた後、男だった時と違っていたので、丹念に拭いて、トイレを出て、自分の部屋に戻り、時刻を確認してみる。すっかりと夜中に突入していたので、寝なきゃ駄目だよな? と思い、ベットに入り、眠くなってきたので、そのまま寝る事にした。寝ながら考える事は、元の姿に戻っていればいいんだけどな……とか、思っていたのであった。

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