パーツ屋さんと僕

カランカラン


「ごめんくださーい」


「はい、いらっしゃい」


「五十嵐さんこんにちは」


「こんにちは」


この人は五十嵐いがらしさん。いつもアイリスに必要なパーツを揃えてくれている優しいお姉さん。


この間お金に困っている所を何とか助けてあげた事をキッカケに交流している。


最近よく善意で僕の部屋の掃除とかをしてくれる。


この前なんか僕が起きた時にはもう掃除し始めていたんだけど、


その時さらに朝ご飯も用意してくれていたんだ!スゴイ!


今日も来てくれてたけど、何故かアイリスが追い払おうとしていた。


アイリス曰く、「カギをこじ開けようとしていた」との事。


そういえば五十嵐さんにウチの鍵って渡してたっけ……?


まあ、僕が忘れただけできっと渡してたんだろうな、きっと。


それをアイリスが見間違えたんだろう。


……やっぱり他のパーツも買っちゃおうかな?


「今日はどんな御用かな?」


「えーっと、今日はアイリスのパーツを見に……」


ピリッ


「?」


なんだろう?ちょっと空気が張り詰めたような?


「……そうか、ならば奥へ来るといい」


「あっ、はい。分かりました」


まあ、気のせいか。


###


「……えーっと、五十嵐さん?」


「なんだい?」


「一体どうして僕はベッドに縛られてるんでしょう?」


「気にするな。ただの準備だ」


「はぁ……」


先程も言った通り、僕は今ベッドに寝かされて、ついでに手足を縛られて動けない。


大の字になっている。


おかしいな。僕はただアイリスのパーツを買いに来ただけなのに。


「もう、私はダメだ、六郎君」


「えっ!もうダメって、一体どうしたんですか!?」


「フフ、相変わらず君は優しいね。こんな状況の中でも私の心配をしてくれる」


「そ、そんな。僕は別に……ってそうじゃなくて、どうしたんですか?何か辛いなら相談に乗りますよ?出来る事なら!」


?」


「はい!です!」


「フ、フフフフフフフ、アハハハハハハハ!」


「い、五十嵐さん?」


「フ、フフ。いや、大丈夫だ。」


「そ、そうですか。」


な、何だかとっても嫌な予感がします!


五十嵐さんには申し訳ないけど、パーツだけ貰ってさっさと帰りましょう!


「あのー五十嵐さん。ちょっと急用を思い出したので、パーツだけ貰っても……」


「何を言っているんだい?帰す訳ないだろう?」


「え」


「……なーんてね、冗談だよ。、ね」


「ほっ」


「じゃあ、これを持って早く帰るといい」


「ありがとうございます!」


「気を付けて」


「はい!って、縄解いて下さいよ!」


「ああ、そうだったね」


「じゃあ、また来ます!」


「ああ」


カランカラン


「はあ、危ない所だったな。危うく計画が破綻する所だった」


「六郎君……必ずあの鉄屑から救い出してみせる」


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アンドロイドに縛られて ディアさん @diavolos

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