宇宙空間

あれとこれとそれとあれ

全部違う角度から刺してくるよね、君って

短剣から長剣、将又二刀流とか それはもういろんな種類でさ


瓶に詰まった金平糖、一粒取ろうと思ったら瓶ごと倒してしまって、机の上に散らばっちゃった

こいつは色も数パターンある上に形がどれもこれも似てるもんだからどれを取ろうとしたか分からなくなっちゃった

どれを取っても同じなのかな

どれを取っても変わらない?

自分が掴みかけた金平糖はどこへ行ったんだろう 確認は出来ないけど、また瓶に戻したら個々としての金平糖ではなく集団のひとつの中の金平糖に変わる

見えなくても掴めなくても分からなくても金平糖という枠組みに再度組み込まれる


君というのはそんな金平糖のように曖昧で難しい存在なんだ

ほら今だって、大衆、暗闇の中に紛れてしまって見つけて拾い上げる事が出来ずにいる

蓄積、常駐


君に振り回され続けて生きてきて、偶に四肢がもげてしまいそうになるんだ

そんな時に僕は思うんだけど、この状態で広くてひろーーい宇宙空間に揺蕩えたら、誰も拾い上げて瓶に詰め直す人は居ない訳だし君とオサラバ、金輪際出会う事は無いよ、おめでとう

っていう具合になると思うんだ

けどそれと同時に誰かが脳内に囁きかける


手放したらそれで全部終わりだけど、本当にそれでいいの?


ってさ。

君が居ないところで生きるのは楽だろうね。けど、本当に君が居なくなってしまうとそれと同時に君の親戚…といったところかな。 親戚の奴らの存在をも感じなくなってしまうんじゃないかと思う なんせ「全部」だからね

怖い話だよ


四肢がもげて宇宙空間に放り出さられるなんて非現実的だから気にしなくていい話ではあるんだけど、

もし、もし放り出す事が可能と仮定して考えてみるなら

死ぬまで抱き抱えて生きていく他ないんだろうね

と、思うよ。

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