第53話
「おかえりなさいませ、ご主人様」
今にも溢れ出そうなおっぱい。
白く長い美しい脚と腕。
汗に濡れ、給仕をするメイドは誰もが美少女。
そして……おっぱい。
「……ショウ君、何してるのかな?」
「今ママの胸の中に還ろうとしていた所だ」
「ショウ様……私はお母さんではありませんよ?」
「わかってますすいません」
「ショウ君も現実逃避してないで手伝って!忙しいんだから!」
神白金エリアの豪邸をメイド喫茶に変えたそこは、大盛況だった。
俺達10人では足りずどこからともなく現れたメイド達が手伝いに来てくれた。
最早メイド服喫茶ではなく超人気料理店。
チケット無しに神白金エリアの豪邸に自由に来れるようにしたことも理由だろうが何故そうなったかというと……
「オムライス出来た、後カルボナーラも」
コーラルの料理だ。
一口食べれば皆感動し、更に口コミで客が押し寄せる。
思っていたメイド喫茶じゃなさ過ぎるな。
「ショウ、働くのって楽しいね!食事はボクが持って行くよ!」
「……そりゃ良かった」
グーシュヴァンドの笑顔が眩しいが俺は遠慮しておく、十分前世で働いたからな。
「うわっと!?」
「ショウはそれを今来たお客様に持って行って!」
「お、おう!」
トレーに大量に積まれたコップを一人一人に配って行く。
「ひぃ!?」
「可愛いねぇ、胸はないけど綺麗な顔だぁ」
何だこのおっさん、俺の尻を撫で回してやがる。
「あ、あははは……」
面倒だ、適当にあしらって……
「君、何してるのかな?」
「何故許可なく触っているのですか?」
「あ、お帰りですね!」
おっさんはグーシュヴァンドに頭を鷲掴みにされ、更に両手足をシアとノーフィに掴まれると窓から放り投げられる。
「いや、ここ2階……」
「邪魔はいなくなったね、次は何をすれば良いかな?」
「それでは今お帰りになられた方のテーブルを綺麗にしてくれますか?」
「わかったよ、テーブルごと燃やせば良いかな?椅子も汚くなったから燃やそうか……」
「ありがとうリャナちゃん!リャナちゃんは気が利くね!」
「え、そうかな……じゃあ2度と来れない様に机と椅子と一緒に燃やしてくるよ!」
褒められたのが嬉しいのか片手にテーブル、もう片手に椅子を握りしめて笑顔で出て行く。
「凄い力ですね……」
「それより外のおっさんがやばいと思うんだが」
「え?リャナちゃんがそんな事出来るわけ無いよ。冗談に決まってるよ?」
「一応見てくる、あとは頼んだ」
ノーフィの思うリャナならいいが、グーシュヴァンドなら放っておけない。
「あ!そう言って逃げるつもりでしょ!?」
……まぁ、そうとも言うな。
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