第48話
「…………はっ!」
飛び起きた時には俺の横にグーシュヴァンドはいなかった。
「……助かったのか?」
どうやら生き延びれたらしい。
「お目覚めになりましたね、こちらはお預かりしていた服と武器でございます」
渡された服とラピスコーラルを身につけ、ベッドルームを後にする。
「何か用か?」
出ようとした時に現れたのは俺にとどめを刺した褐色幼女だ。
「ねぇ、あんた童貞でしょ?私とやりたい?」
「べ、べべ別に俺は童貞じゃ……」
「無駄だってば、私サキュバスだから触ればそいつが童貞か処女かわかるから。それに使ってないのがもったいないくらいいいモノだったし」
……落ち着け。
美幼女が誘惑している。
少し強気なのがいただけないがそれでもサキュバスと言うだけあるのか近くにいると少しスパイシーな刺激的な甘い香り。
それだけで元気になってしまう。
「い、いや……きっと俺の仲間達が心配してるから急いで帰らないと」
「そう?残念、あーあ、こっちの準備はかんぺきだったのになー」
幼女がスカートをまくり上げる。
……こいつ、穿いてないだと?
それに下の口から洪水の様に流れ出ていたよだれは太腿を濡らし、更に周囲に蒸せ返る濃い甘い香りが広がる。
「ねぇ、聞いてる?ほら、どこでも触っていいから……ね?」
俺の右手を口の中に入れて舐め始めた時、ついスキルを使ってしました。
そもそも相手はサキュバス。
間違いが起きたとしても不可抗力だよな、うん。
「くっ!?……あんた、まさか……」
何だ?スキルを使った瞬間、手が痺れて弾かれた。
「へぇ、あいつを狙って学園にきたけれど思わぬ収穫ね……」
「は?何のことだよ、それより続きは……」
「それは今度、それじゃまたねロリコンさん?」
寝室の窓を突き破って入って来たのは鳥に似た魔物、グリフォンだ。
グリフォンは神金級の魔物、どこにでもいるものじゃない。
「お前、一体何なんだ!?あいつ?一体誰のことだよ!」
「知らないなら更に好都合ね!次に私が会いに行くまで死なないでよ!!」
褐色幼女はグリフォンに乗り飛び去ってしまう。
「失礼します!こちらから大きな音が聞こえたのですが何かありましたでしょうか!?」
部屋に入ってきたのは昨日俺を責めたてたメイド幼女、俺が今起きたことを説明すると、メイド幼女は首を傾げる。
「そのようなメイド、私は見たことも聞いたこともありませんが……」
「いや、昨日俺と見たはずだ、最後に俺の脚に座ってたあの褐色メイドだ」
「申し訳ありません、そもそも褐色肌のメイドなどいないはずですが……何かの見間違いでは無いでしょうか?ですが誰かが侵入したことは間違いありませんのでその点については調査したいと思います」
……どう言うことだ?
確かに俺は見た、たった今話したし幽霊では無いはず。
グーシュヴァンドに聞けば何がわかるか?
「グーシュヴァンドはいるか?」
「いえ、私にショウ様を起こす様にお願いされた後から何処にいるかは不明です」
気になることは増えたが、グーシュヴァンドのスキルがわかっただけ良しとするか。
「それと1つだけグーシュヴァンド様に気に入られました貴方にお伝えしておきます、グーシュヴァンド様は気に入られたモノは誰にも渡しません……お気をつけて」
……何をどう気をつければいいんだよ?
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