第47.5話 一方ホルドア家は

「この度の、誠に申し訳ございませんでした!」


「もう良い、この作戦は当初から誘拐が目的ではない。娘をブルタスから離すのが真の目的。盗賊達が娘を孕ませればそれはそれで良い……だが当然、尻拭いはするのだろうな?」


 オーディル城、その地下。

 周囲を拒絶するかのその場所で壮麗、金髪の男が疲れた様にベッドに横たわり、それを見上げ跪くのはホルドア家当主ヴァンドだ。


「はっ、既に三男、盗賊達に対してはオーディルの精鋭暗殺部隊を送り込んでおります。確実に抹殺できるかと……もしですが、あちらの姫が犯されていた場合はどうすれば良いでしょうか」


「殺せ、娘の力は純血を散らした者に最も強く働く。2番目3番目では無意味な程の力の強化にしかならないからな」


「承知致しました」


 ヴァンドは地下室を後にする。

 と、地下室を出たそこにはヴァンドの面影のある青年が2人。


「申し訳ありません父上、この失態、必ず取り戻してみせます」


「兄上のせいじゃねぇだろ、あんなクソカス盗賊が神銀武器を持っていたなんて誰も予想なんて出来ねぇよ」


「気にするな2人共、全ての失態はゴミショウが背負うことになったからな。ゴミも燃やせば役に立つということだ」


「一族の恥をこんな形で役立てるとは流石です」


「あの雑魚も帰って来れるなら本望だろ!生首になってだけどな!」


 地上へ上がる階段に下品な笑い声が響く。


 ヴァンドも長男のフィグも次男のニィルもショウが今隣国で次期国王候補とは知る由もなかった。


「お、丁度部隊から連絡だ……どうした……なるほど、そうか……わかった」


「父上、どうされましたか?」


「あのゴミめ、盗賊狩りをしに行ってしばらく帰ってきていないらしい。盗賊達に殺されたのだろうが死体が無ければ証明出来ないな……ちっ」


「なら俺が行く、探し物は得意だからな」


 次男なニィルが意気揚々と立候補する。


「暗殺部隊は我が一族の汚点を闇に葬ってきた精鋭、お前達も学ぶべきこともあるだろう……ニィル、今からでも暗殺部隊に合流するといい。ゴミ探しを任せるのは心苦しいが」


「任せとけよ」


 ニィルの鼻が犬の様に変化する。


「何でもこの獣化で探し出してやる……と、その前にだ。おいメイド!!」


「え、きゃぁっ!?」


 地上に上がりオーディル城の中ですれ違ったメイドを押し倒し馬乗りになると服を無理矢理破いてゆく。

 ニィルは下半身だけ服を脱ぎ、現れたのは凶悪なまでに反り上がり赤くなり、根元にコブがある特徴的なモノ。


 メイドは服を破られて半裸にも関わらずそれに魅入ってしまっていた。


「どうも獣化すると抑えがきかねぇ。安心しろ、こいつでヒィヒィ言わせてやる。ただ……一度始まると2時間はとまらねぇけどな」


「ひぃっ!?た、たすけて下さい、私はまだ経験が……」


「マジかよ!なら初物、頂きますか!」


 メイドの悲鳴も助けも周囲のメイド達は知らん顔。


 それは上手く生きてゆく為だった。

 

 全ての罪をショウに背負わせ、傍若無人に振る舞うホルドア一族。


「父上、ブルタスの娘ですが交わればスキルが少しは強化されるのですよね?なら殺したことにして家の地下で飼いませんか?」


「それは良い、流石我が息子だ。だが王にはバレない様にしないといけないな」


 ……彼らが破滅するのは、そう遠くない未来だろう。



 


 


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