第44話

「もう体調は平気なのか?」


「は、はい!大丈夫ですよねノーフィさん?」


「う、うん!もちろんだよ!」


「……なぁ、何か2人とも俺に隠し事をしてないか?」


「そっ、そんな訳ないよ!!それよりも今日は特訓でしょ?ほら早く始めよ!」


 翌日姿を現したノーフィとシア達と神金オリハルコンクラスに上がる為に特訓を始めようと思ったのだが、何か様子が変だ。


 と、急に肩を叩いて来たのはマリだ。


「気にするな……だが1つだけ言えるとすれな、貴様には感謝しなければならない。ありがとう」


 だから何でだよ。


「とにかく集まったな。今日の特訓は俺と特別に応援に来てくれた2人がいる、ククリとリリアだ」


「よろしく……お願いします……」


「わたしがきたならもう安心なんだから!」


 ククリとリリア、2人が俺達の助けをしてくれるのもグーシュヴァンドからの指示らしい。


 理由はわからない。

 俺を気に入ったからと言うのは何か違う気がした。

 別の理由がある、だがそれはわからない。


 不気味な気もするが、何にせよ俺だけでは教えるのには限界があるし、神白金クラスの助けが借りられるなら断る理由は無い。


「ククリはノーフィに、リリアはシアの担当で今日から特訓だ。神金クラスに上がれるのは上位4人、次も全員一緒に上がりたいから頑張ろう」


「はい、頑張りましょう!よろしくお願いしますリリア先輩!」


「せん……ぱい……リリアってせんぱいなの?」


「もちろんですリリア先輩、私は弱いですが、是非色々と教えて頂けると嬉しいです」


「ふっ……リリアせんぱいになんでもききなさい!」


 チョロいな……


「ククリちゃんよろしくね、最初はどんな特訓する?実践?それともひたすら反復練習かな!?あ、でもスキルを鍛えた方が良いかな?それとも魔罪武器を使えた方がいい?あ、そうだ!実は私の魔罪武器は話せるんだ、出てきてヒスイ!」


「あ、え、あわわ……」


 あっちはあっちで大丈夫か?

 今は任せて俺はやるべきことをしよう。


「ますたー、どこいく?」


「ああ、少しな……ラピスとコーラルもついてきてくれるか?」


「マスターの為ならどこまでも」


「助かる、それと俺が2人に何か言うまでは武器状態のままでいて欲しい。当然話してもダメだ」


「わかった、それとお礼はいらない……でもますたーと後でしたいことがある、昨日ノーフィとしたこと」


 ノーフィとしたこと?何の話だ?


「痛かったから途中でやめた、けどますたーとなら我慢出来る」


「何の話をしてるんだ?痛かったって、まさかノーフィに殴られでもして……」


 いや、自分で言っていてすぐにそれはあり得ないと思った。


「ないしょ、でも大丈夫、きっとマスターは喜ぶ。楽しみにしていて」


 ラピスとコーラル、素直な2人のお礼か、それなら楽しみに待っていよう。

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