第40話
「……なるほど、キャーラさんも半獣人化してショウ様に隠れて学園の編入試験を受けていたんですね」
「そうそう、最初は私も混乱してたからショウと話せなくてさー。でも私も神銀級に来れたし、ようやくゆっくり話せると思って……でもショウ、私のこと完全に忘れてたでしょ?」
「本当すまない、色々あって忘れてた」
「いいよいいよ、別に私はショウの使い魔じゃないし。でも私はショウのことをずっと考えていたよ?それはショウもわかってるよね?」
「……それは、まぁ」
あれだけの事をされれば忘れる方がおかしい。
「それでちょっとお願いなんだけど、実は半獣化する前はいつもショウに遊んで貰っててさ、今日も時間があれば色々とシタいんだけど、この後シアと予定があったりする?」
「私はありません、ショウ様折角久しぶりに会えたのですからお2人だけで楽しんできてはどうでしょうか?」
「え?いいのか?」
「勿論です、私が原因で離れ離れになってしまったのもあるでしょうし、ノーフィさんには私から伝えておきます」
「ノーフィ……あいつも……」
そういえばキャーラはノーフィと仲悪かったな。
「ありがとね!じゃ、行こうか!」
◇ ◇ ◇
「おい、どこまで連れて行くんだよ」
「え?私の家だけど……それともまた外でシタかった?」
その手で輪っかを作って上下にシコシコする動きをやめろ。
「そ、それよりどうやって学園の試験を合格したんだよ?キャーラにスキルなんてあったか?」
「それは私の種族特性だよ、生まれ持った才能ってやつかな?例えば……周囲100mには人が6人、その内4人は女子で1番近くにいるのはこの家の向こうの草むらで寝ている人かな」
家の向こうって、見えるはず無い場所まで状況を把握してるってことか?
確認しに行ってみると、確かに昼寝をしていた生徒がいた。
「すごいでしょ?透明でもこの耳で察知できるし、気配を殺して背後に忍び寄れるし、ノーフィよりは絶対優秀だからねー」
ノーフィより、か。
「神銀ってことは決闘で上がったってことだよな?ブロンズクラスの試験にいなかったよな?」
「そうだよ、ちょっとお願いしたらすぐ譲ってくれたよ。みんなエッチなこと好きでよかったー、私も発散出来たし一石二鳥だよ」
あんな可愛い黒猫が一皮(深い意味はない)剥けば淫乱猫だったとは……嬉し、じゃなく悲しいばかりだ。
「ショウもよくこんな服なんて着れるよね、外に出る時は仕方ないけど服っていらなくない?」
「普通だろ、というか部屋ではどうしてるんだ?」
「もちろん全裸だよ?それにトイレもよくわからないし、やっぱり茂みでするのが1番だよねー、ショウも一緒にする?とっておきの穴場を見つけたんだよね」
……やばい、これはダメだ。
将来の王候補の知り合いにとんでもない淫乱半獣性女がいるとなれば、首席なんて関係間違いなく破談、いや悪ければあの王に処刑される。
そう、これは必要なことなんだ。
「キャーラ、発情期は仕方ないから俺が対処する、だから他の奴を襲うのはやめてくれ」
「えっ、本当!?流石ショウだね!」
「今日はそうだな……さっき穴場とか言っていた場所でやるか」
そう、極力女の子望みを叶えるのも男としての役割だ。
「でも大丈夫、今日は気持ちだけ受け取っておくよ」
「……え?だって発情期だって言ったよな?」
「それは昨日まで。今日はショウが発情してたからどうにかしてあげようと思ったけど……違う?素直になれば気持ちいいことできるよ、ほらほら……」
キャーラは俺を押し倒すと上半身裸になる。
日焼けしたその身体は淫靡さとは無縁の健全なスポーツ少女を思わせるが、対照的に浮かべるのは妖艶な笑み。
そしてかちゃかちゃとベルトを取られるとパンツを突き破ろうとする勢いの元気な愚息。
思い出すのはあの強烈な快感。
それだけで身体が金縛りに会ったように全く動かない。
「否定はしないんだ、じゃ……食べちゃうね?」
俺の愚息にキャーラの涎がだらりと落ち、てらてらと濡れ、そしてキャーラが跨ると黒いレースの下着を脱ぎ捨てる。
そして、暖かく濡れた何かに俺の愚息を飲み込まれようとした時だ。
「キャァァァァァァァァァラァァァァァァァ!!」
「ひぃっ!?」
おっ、俺の股間に矢が!?
「ちっ……ノーフィ来たんだ、暇なの?」
「暇じゃないよ!ショウ君がキャーラにさらわれたって聞いたから急いで来たんだよ、そうしたら案の定襲ってるし!」
「襲ってないけど?ショウと同意の上だけど?」
「ショウ君はそんなことする人じゃないよ!ねぇ、ショウ君?」
「……そ、そうだな、うん」
「あーあ、ノーフィのせいで萎えちゃったなぁ……ま、今日は久しぶりにショウと話せたからもういいや。はいこれプレゼント、使えば正気に戻るはずだから、じゃあねー」
「あ!待ってよ私はまだ何も話して……行っちゃった……」
正気に?プレゼント?
手に握らされたそれを見てみると、それは黒い布。
「ショウ君!帰るよ!」
「あ、ああ……」
生暖かな脱ぎたての黒レースパンツに目を奪われ、俺は生返事しか返すことが出来なかった。
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