第23話
「……い、いよいよだね。すぅ、はぁ、すぅ、すぅ、すぅ……」
「大丈夫だって、だから息をきちんと吐け!」
「はい、この10日間ノーフィさんの頑張りは凄いと思います。
大会当日、がっちがちに緊張したノーフィとそれを励ますシアと俺。
まだノーフィには俺の作戦の詳細は何も伝えてはいなかった。
この作戦にはノーフィの頑張りも必要だったからだ。
「そ、そうだよね。
「ノーフィさん!?大丈夫、大丈夫ですから!?」
急に涙目になるノーフィを宥めるシア。
見た目は
「とにかく、今日の試験が始まればすぐにわかるさ」
「それはどう言う意味でしょうか?皆さん特に変な点はありませんが……」
生徒同士で睨み合い、闘志むき出しのその姿と雰囲気は確かに当然と言えば当然だろう。
だが、それが1人残らず全員となれば異常なのだが、当の参加者達は全く感じてはいない様だ。
「作戦通りだな、ノーフィ、シア、頑張って来い!」
「はい、ショウ様と2人きり……いえショウ様に見合う女性となれるよう最善を尽くします」
「私なんて……弱いし胸も小さいし……」
何?胸が小さい?俺は知ってるぞ、実はそのはち切れそうな胸のせいで振りかぶる剣や槍が扱えないから弓にしたってな。胸当ても特注だ。
それに故郷のクソガキ達はほとんど全員ノーフィで精通を迎えていたしな。
まぁ、それは故郷のクソガキ達を弟扱いして一緒に風呂に入るノーフィも悪いと言えば悪いんだが……
「ノーフィ、俺を信じてくれ。この1週間俺はただ無意味に過ごしていた訳じゃない。それはノーフィも同じだろ?」
「……うん」
「きっとノーフィの力を発揮できる、そして一位通過出来るはずだ。魔罪武器も使いたくないだろうが、きっともう許してくれてるはずだ」
「私も一位通過を譲る気はありません、ですがもし負けるとしたらノーフィさんだけだと思っています」
ノーフィは顔をばちんと叩き気合いを入れ直した様だ。
「うん、そうだよね……折角シアちゃんに付き合ってもらったことも無駄になっちゃうし、私頑張ってみる!ショウ君、応援していて!」
「ああ、任せとけ!」
そしてノーフィは普通の武器と魔罪武器を持ち自分のスタート位置に走り去って行く。
「ごめんなシア、鍛錬に付き合わせた上俺はノーフィばかり応援して」
「いえ、あのままのノーフィさんを見るのは心苦しかったですし、それに……」
俺の頬に甘い香りと柔らかな感覚、そしてすぐ近くにシアのくりくりとした大きな瞳。
……キス、された?
「その分のお返しは私が1位になったら、2人きりできちんと返してもらいますから。期待していますよ、ショウ様?」
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