第21話
「行くよ!準備はいい?」
「はい、よろしくお願いします」
ノーフィは自信満々で弓を構える。
「ノーフィ、最初は本気を出すなよ?どれくらいの力かわかっていないんだからな」
「平気です、ショウ様と同じ神銀級武器になったとしても、私が傷つくことはありませんので本気で来て下さい」
「むっ、なら本気で行くよ!!」
俺の不安をよそにシアとノーフィは意地を張り合っている様だ。
そしてどこからともなく風を纏う緑色の矢が現れた。
「はぁぁぁぁぁぁあ!!」
「えっ、速、きゃあっ!?」
尻餅をつくシア。
……全く見えなかった。
シアが避けたのは偶然剣に矢が当たった、いや、ノーフィが狙って当てたのか?
確かにそもそもノーフィは十分技量はあるが、今見えたのは3本同時に矢が剣に当たっていた。
「ショウ君!これならシアちゃんだけじゃなくて神銀クラスだって夢じゃないよ!」
「うっ……悔しいですが、今のは全く防げませんでした」
心底悔しがるシア、確かにこれなら飛び級するのはノーフィかもしれない。
「凄いぞノーフィ、まさかこれほどなんて思わなかった」
「えへへ……それじゃシアちゃん、もう少しだけ付き合って貰って……あれ?」
「……どうしたノーフィ?」
「あ、えっと……おかしいなぁ」
様子がおかしい。
同じように矢が現れたが、その数は10本以上、それに全てシアではなくノーフィに向いていた。
「た、助けてショウ君!!」
一体何が起きてるんだ!?
「
「まかせて、
現れた水球を炎の渦が押し出すと爆発すると、その衝撃で弓が吹き飛ばされる。
「ノーフィ、大丈夫か!?」
「う、うう……怖かったよぉぉぉ!!」
「もう平気だって、ほら泣くなよ」
それにしても、何が起きたんだ?
武器が急にノーフィを傷つけようとした?理由がわからない。
と、横でシアが考え込んでいる。
「どうしたシア、何か心当たりがあるのか?」
「ショウ様、もしかしてですが、その武器は嫉妬したのではないでしょうか?」
「……嫉妬?武器が?」
「はい、ノーフィ様が私を圧倒した際、ショウ様はノーフィ様を誉めておりました。だから武器が嫉妬したのではないですか?」
「いや、まさかそんな……」
「そのとおり、マスターは褒めるのが下手。その武器はもうノーフィには使えない」
……マジかよ。
「そんな……うう……」
「これは、地道に鍛えるしかなさそうですね……」
「そうみたいだな……ノーフィ、俺も協力する、だから実力で頑張らないか?」
「私も協力させて下さい、私もノーフィ様に少し意地悪だったようです……すみません」
「ショウ様、シアちゃん……ありがとう」
まだ試験まで10日ある、できることはいくらでもあるはずだ。
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