第20話
「あの!決闘でゴールドクラスにクラスアップしたショウさんですよね!?」
「え?そうだが、誰から聞いたんだ?」
翌日、食堂でなんとかボアの巨大ステーキを食べていると、全く知らない女子生徒から声をかけられた。
「誰と言うよりも皆話題にしていますから!今度お時間あったら一緒に私の部屋で色々お聞きしたいです!私はシルバークラスの……ひぃっ!?」
急に悲鳴を上げたと思えばそのまま頭を下げて何処かへ去って行ってしまう。
「……ショウ君、今は私達と話しているよね?」
「いや、これはあっちから勝手に話しかけられたからで」
「仕方ありませんよ、ショウ様はとてもお優しい方、女性の話を無視するなんてことは出来ませんから」
シアのフォローがありがたいが、そのシアの眼は笑っていなかった。
「と、とにかく次の試験に向けてどうするかだろ?少なくともシルバーへのクラスアップは狙いたい所だよな」
「はい、私も王の娘ですから卒業までには神白金、いえ神金クラスまでは行ければと思っています」
姫と言うのも大変だな。
「それにしてもシアちゃんがお姫様だってバレないものなんだね、1人くらい知っていてもおかしくないのに」
「それは父様が過保護過ぎたことが理由だと思います。私は誘拐されるまで父様以外の会ったことはほとんど無くずっとお城の中で暮らしていましたから……ですがそれが原因で、誘拐されたことさえ誰にも気づかれませんでした」
これだけ可愛いならわからなくも無いがそんなことがあったとは。
「以前は『悪い虫が寄って来るから娘を男に見せん!』とばかり言ってました……そ、それよりも試験のことを話しましょう!」
シアは自分で話して恥ずかしくなったのか顔を赤くして話題を戻す。
「シアは俺と同じ神銀級の武器を持ってるよな?なら次の試験は簡単ってことか?」
「はい、ノーフィ様には申し訳ありませんが余程の事がない限りは私が飛び級でゴールドクラスかと」
「仕方ないな、ノーフィには悪いけど今回はシルバークラスを目指してその次にゴールドクラスを……」
「嫌っ!!」
今まで聞いたことのないノーフィの拒絶。
そして薄らと目に涙を浮かべていた。
「私がシルバークラスにあがっても、ショウ君とシアちゃんはその時はもう更に上のクラスに上がってるよ。そうなったらショウ君だけじゃなく2人と離れ離れになっちゃう。私は2人みたく強くないから絶対に上がれる訳じゃないし……」
「ノーフィさん……」
俺もどうにかしてあげたいが、すぐに強くなれる訳じゃないしな……俺みたく運良く実はスキルがチートなんてことはなさそうだし。
「そうです!ショウ様がスキルで強化した武器をノーフィさんにお渡しするのはどうでしょう?
確かにそれはあるかも知れないな。
「ショウ君、お願いしていい?」
ノーフィもなりふり構っていられないのか俺に弓を渡して来る。
物は試しだ、やってみるか。
渡された弓を握ってみると、同じ吸い付く様な感覚。
恐らくこれで大丈夫なはずだ。
「場所を変えましょう、本当に強くなったか、私がお相手致します」
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