第18話
決闘会場はローマのコロッセウムの様な場所だった。
「どちらかが降参すればそれで終了だ、それでいいな?」
「ああ、俺が勝てばゴールドクラスだな」
「万が一にはないだろうがそうだ。そしてお前が負ければ退学と魔罪武器は俺のものだ」
「……は?」
「ん?知らなかったのか?魔罪武器は他の武器を吸収する度に強くなる。お前の武器もどうせ銅級だろうが少しは足しになるだろう」
「待て!それは」
「何だ?逃げるのか?」
くっ、そんなこと知らなかったぞ?
「ますたー、大丈夫、私達に任せて」
ラピスがそう言ってくれている。
なら、信じるしかない。
「ああ、絶対に勝つぞ!!」
開始の鐘が会場に響き渡ると、男子生徒は大剣を取り出す。
そして剣は炎を纏う……のだが。
「さぁ、これがゴールドクラスの力というものだ!!」
確かに剣は炎を纏っていた。
いや、纏うというよりは炎が噴き出す、いや火が燃えて……どこかで見たことあるな……
……そうか、ガスコンロだ。
「触れればタダでは済まないぞ?どうする?」
いやガスコンロ剣を堂々と掲げているがガスコンロも確かに触れた火傷するしタダでは済まないのは当然なんだが……うん。
「マスター、あれは
なるほど、ゴールドクラスでも金級魔罪武器って訳じゃないのか。
「わかった!
蒼と赫の双剣は水と焔を纏う。
それはガスコンロなんて比では無く、直視出来ない程の巨大な火柱。
もう一方はまるでプールの水をそのままひっくり返した様な勢いの水流。
「な、なんっ」
俺がラピスを軽く振ると、膨大な水流が男子生徒を襲いガスコンロ剣の火は完全に消えてしまう。
唖然としていたが、まだ終わってはいない。
「ん?降参してないよな?」
「……っつ!?」
「それじゃ降参するまで美味しく焼いてやるか!
完全に濡れていた男の身体は瞬時に乾き炎に包まれる。
「
その炎を消す様に再び水を浴びせかける。
そしてまた炎、水、炎、水。
何だか楽しくなってきたぞ?
「までぇ、ご、ごうざ」
「いやー!何を言っているかわからないなぁ!?」
か弱い可愛い女の子を退学にしようとした罰だ、反省して欲しいものだ。
「ますたーますたー、そろそろやめないと死んじゃう」
目の前には裸になった男子生徒。
火傷や怪我はないようだが、憔悴しきっていた。
おっと、楽しすぎてやり過ぎたみたいだ。
「す、すみませんでした……降参します!!」
「わかればいい、女の子は大切にするんだ、いいな?」
すると男の持つ魔罪武器が磁石の様に珊瑚剣に引き寄せられるとそのまま吸収されてしまう。
「コーラル、何か変化はあったか?」
「……料理が上手くなった気がする、いつかマスターにふるまう」
……それは、強くなったのか?
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