第11話
「凄いショウ君!まるで何もしてないみたいだったよ!」
いや、マジで何もしてないからその通りなんだけどな。
「私には見えていました、ショウ様は右手を前に出して何かしていたんですよね?」
「何かしていたって言うか、されていたって言うか……」
「やっぱり凄いねショウ君は!あとで教えてくれないかな?」
「いや、教えるのはちょっと無理かもな……」
「ノーフィさん、きっと私達には理解出来ない方法で突破したと言うことでしょう。私にも何が起きたかわかりませんでしたから」
俺だって知りたいくらいなんだが、それを言った所で余計混乱するだけだろう。
「そう言えば今の所どれくらい合格したんだ?俺達含めて1、2、3……5人か?」
「はい、今日は通常の試験ではなくいわゆる編入試験です。1年に1回で通常よりも難しいのです。5人でも多いくらいですよ」
「そうか……とにかく合格出来て良かった」
「おめでとうございます、次期国王へまずは第一歩ですね。私も全力でサポートいたします」
「私もね!それじゃあ行こうショウ君!」
学園生活はあまり現実世界ではいい思いでは無かったけれど、ここでならきっと楽しく過ごせて行けそうだ。
「あ、そう言えばショウ君とシアちゃんと私って同じクラスなのかな?」
「クラスは3人一緒ですので安心して下さい、案内も私にお任せ下さい、中央学園には以前来たことがありますので。私達は
「
「オーディル王国にはありませんでしたね、
そんな便利なものが……だからオーディル王国が侵略できない訳か。
「自由と言いましたが1つだけ難点があり、
「なるほど、とにかく学園で必要なものなら取りに行くか」
シアに案内されて着いたのは至る所に何種類もの武器が並び飾られていた武器屋の様な場所。
「編入生だね、さぁ好きな魔罪武器を取りな」
そう言うのは三角帽子を被ったいわゆる魔女風の女性だ。
「私はこれに扱い慣れてるこれにするね」
ノーフィは扱い慣れていた弓矢型の魔罪武器か。
「そいつなら大丈夫だろう、そっちの2人はどうするんだい?」
「私は蒼剣がありますので大丈夫です、ショウ様はどうしますか?」
「俺はそうだな……その奥の双剣も選んでいいのか?」
女性が座る奥に飾られていた双剣は赤と青2色だ。
「残念だがこいつは
なるほど、強い魔罪武器は強いスキルを代償に動かせるってことか。
魔力みたいなもんか。
「ああ、気に入ったからな」
武器を手に取り力を込める。
すると、赤い剣からは炎を纏い、蒼い剣は水を纏う。
「おいおい……嘘だろ!学園生徒で神銀級を扱えるなんて聞いたことがないよ!?」
「そんなに凄いことなのか?」
「はい、魔罪武器は
「……本当にスキルの強さに比例して魔罪武器を使えるのか?俺のスキルはそんな強く無いはずなんだが」
「ショウ様のスキルは何なのですか?」
「ただの物を持てるスキルだ、このせいで家から追放されるくらい弱いスキルだな」
「それであれば銅級が精一杯のはずですが……ですが扱える以上何か理由があるはずですね」
気になる所だが、とりあえず使えるなら問題はないか。
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