第8話

「ショウ様、役立つかわかりませんがこれを。ブルタス王家に古くから伝わる御守りです」


 渡されたのは小さな蒼剣だ。

 

「私達ブルタス王家の初代はこの宝剣に愛されたことで力を得て一大国家となったと言い伝えられています。私に出来る事はこれくらいですがどうかお使いください」

 

「大切な物じゃないのか?いいのか?」


「大丈夫です、その宝剣は初代の宝剣を分割したうちの1つですから」


「それならありがたく頂くとするか、ありがとう」


 宝剣を手に取るとやはり妙にしっくりくる。


 物を持つスキルのおかげかと思い、力を込めた握った瞬間だった。


「なっ!?」


「きゃあっ!!」


 蒼剣が光を放つとみるみるうちに巨大な大剣へと変化する。


「これは……初代王の蒼剣!!」


「何で急に!?」


「わかりません!ですが言い伝え通り蒼剣に愛されたとしか……」


 暴走気味の蒼剣からは蒼い光が止まらずそのせいでオーディル兵士達が集まって来てしまう。


「ショウ様、蒼剣の力をお使い下さい!」


「色々わからないが、これでいいのか!!」


 蒼剣を高く掲げて、溢れ出す光を思い切り国境の岩の壁に放つ。


「はぁぁぁぁぁあ!!」


 すると、蒼光は岩の壁を一瞬で吹き飛ばしていた。


 幸い向けた方向は兵士達がいない場所だったおかげで犠牲者はいないようだが……


「いたぞ!捕らえろ!」


「ちっ!急ぐぞ!」


 2人を抱えて俺は走り出す。

 いくら俺が強いかもしれなくとも避けられる戦いは避けた方がいい。


「ショウ様、とても力がお強いのですね」


「……え?」


 いや、確かにそうだ。

 夢中で気づかなかったが、両脇にノーフィとシアを抱えて軽々と走り出していた。


 何だ?まるで何かに支えられているかの様だ。

 これは……水だ。


 水がサーフィンの様に俺の身体と両脇の2人の身体を押し上げ進めていた。


「ショウ様、水を操るスキルを使えたのですか?」


「いや、俺も驚いている所だ……」


「それとショウ君、その……くすぐったいかな……」


「くすぐったい?……あっ!」


 咄嗟に抱き抱えたせいでノーフィの胸を鷲掴みにしていた。

 それはシアも同じ。


「すまない!!」


「いえ、私は気にせずそのままで構いません、ショウ様に助けられている身ですので。それ以上のことも……」


「私も思う存分揉んで構わないよ、その……近くには誰もいないみたいだから……」


 国境を超えて兵士達はもう追っては来ない。


 2人の身体は水に濡れて身体のラインが浮き出ている。

 据え膳食わぬはというか言葉がある。

 ここは思い切って童貞を捨てるのもありかもしれない。


 とは言え、明らかに2人とも様子がおかしい。


 顔も赤いし息も荒い。


 それは俺だって2人と色々としたい気持ちはあるがシアは王女様流石に何も考えずに出来るわけは無いしシアも誰とでもする様な女の子では無いはずでいやでも……


「ショウ様、先程からショウ様に触れられている胸が熱くて……少しでいいのです、直接触れて頂けないでしょうか?」


「私もショウ君にもっと触って欲しい、もっと触れたい……ダメかな?」


「ダメじゃ無いです!!」


 やばい、つい素が出てしまった。


 シアが外套を脱ぐと、雪の様に白い肌が透けて見える。

 胸もさっき触った時はマシュマロの様に柔らかかった。

 更にノーフィの紅潮した身体から周囲には甘い香りがたちこめて正直我慢ならない。

 ……本人達がいいと言っているならいいよな、うん。


 2人は全く躊躇うことなく上着を脱ぐ。


「……おっぱいだ」


 それを見た瞬間、もう何にも遠慮することなく2人の胸に手を伸ばしていた。


「んっ……ふぅ……ショウ君、ちょっと痛いかな……」


「ごめん、ノーフィが可愛いからつい……」


「私は構いません、もっと強くショウ様を感じたいのです……お願いします」


 ノーフィの少しひんやりとした張りのあるおっぱいとは対照的にシアは温もりのある吸い付く様なおっぱい。

 そしてどことは言わないがくすみのない綺麗な桃色。


 俺の心臓が肋骨を突き破って今にも出てきそうだ……いきなりこれは童貞には刺激が強すぎる。


「ショウ君、する前に言っておきたいことがあるんだ。私ね、ずっとショウ君のことが……」


「ショウ様、私も初めてお会いした時からお伝えしたいことがありました。私は……」



 そう言って2人が服を全て脱ぎ捨てた、その時だった。


「おわっ!?」


 背後で巨大な水柱が上がると、大量の水が襲いかかり流される。


「ひゃっ!?あ、あれ?私……何で裸なのかな!?」


「私もです、よく覚えていませんがこの水流のせいではないでしょうか?ショウ様、何かご存知ですか?」


「……多分そうなんじゃないか?」


 覚えてないのか……


「シアァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


「うわぁぁぁぁあ!?何だ!?」


「貴様が盗賊かぁぁぁぁぁぁぁあ!!」


 蒼髪蒼瞳のおっさんが雄叫びをあげて俺を睨む。


 別に俺を盗賊と間違う理由なんて……


「ショウ様、その……私の上から退いてくださいませんか?勘違いされてしまいます」


 ……ありましたね。













  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る