第7話
「きゃっ!?」
「ほら、無理するな」
「……すみません」
ぬかるんだ地面に足を取られていたシアの手を取り森を進む。
幸いにも辺境の地だったことでブルタスへ歩いて行ける距離だった。
そのおかげで日が暮れる前に国境付近に着くことが出来たのだがそこにはどこまでも続く岩の壁と当然の様に兵士達。
外にいるだけで50人以上はいるだろう。
3人では到底突破することは出来ない。
「ノーフィ、索敵を頼む」
「うん!範囲察知!」
赤い灯、その数は100以上だ。
これではかなり厳しい。
「でもショウ君、兵士全員ショウ君より弱いみたいだけど……」
「……は?」
いやいや、流石に盗賊達とは違うだろ……
「ショウ様のスキルは何なのですか?」
「クソスキルだから言いたくは無いんだが、『物を持てる』スキルだよ」
「物を持てる……本当にそれだけですか?」
「どうした?」
シアは気になることがあるようだ。
「私もブルタスで色々な方を見てきましたが、ショウ様程魅力的な方は初めてでしたのできっと素晴らしいスキルを持っている方なのかなと思ったのです」
俺が魅力的?
それって、まさか俺の事が好きとか?
……いや、今は気を抜く状況じゃない。
「褒めてくれるのは嬉しいけどな……」
「シアちゃんが言う通りショウ君はかっこいいし、それに皆ショウ君より弱いんだよ!本当に!」
ノーフィの言葉を信用してきたが流石に今回ばかりは……
「信じてショウ君!」
「私もその通りだと思います」
ああ……超絶美少女2人にそう言われると俺のモテたい欲が溢れ出る!!
「よっしゃ!任せろ!」
「流石ショウ君!私も勿論援護するから!」
「半ば無理矢理ですみません、ですが私でもわかるくらいにそれだけ魅力と実力に溢れ出ていましたので」
「……ふひっ」
やばい、つい気持ち悪い笑いが。
「と、とにかく最初は各個撃破、1番手薄な場所を突破する形で安全に行こうと思う、それでいいか?」
2人は頷く。
そして可愛い2人を見てまた思う。
オーディル兵は強い、でもそれに勝ちオーディルを脱出出来ればこれは好かれること間違いなしなのではないか?
「行くぞ……俺達の為に!」
「凄い、ショウ君今までに無いくらい気合いが入ってる!!」
「私の為にそこまで……無事に帰れたらきちんとお礼をしなければなりませんね……」
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