第4話 

「ショウ君、どうだった?何かあった?」


「ああ、この辺りに攫われた王女様がいるらしい」


「えぇ!?王国の護衛は凄く優秀だって聞いたけれど、そんなこともあるんだね」


「……面目ない」


「ん?何でショウ君が謝ってるの?」


「いや、何となく……それよりもノーフィも危ないから家から出ないでくれ、俺も村の辺りから出来るだけ探すつもりだけど万が一村を襲う可能性もある」


 しかしノーフィは首を縦に振らない。


「こんな時の私のスキルだと思わない?ショウ君と力を合わせれば王女様がどこに居るかすぐだよ。それに私のことはショウ君が守ってくれるでしょ?」


「それは勿論だけど……」


 俺を信じるその眼、そんな眼をされたら断れない。


「わかったよ、でも少しでも危険だと判断したらすぐ戻ってくるからな」


「ありがとう!やっぱりショウ君は頼りになるね!」


 笑顔が眩しい。

 3日で美人は飽きるとか、美人は性格悪いとか現実世界では言うが、ノーフィはそんな感じはしないし、万が一そうだとしてもしてもそんな事どうでもいいくらいに可愛い。


 だが勘違いしてはいけない。

 この可愛さと優しさは俺だけに向けられたものではないと言うことに。



「……ショウ君、恥ずかしいよ、私の顔じっと見てくれるのは嬉しいけど」


「ご、ごめん……と、とにかく初めようか」


「そうだね、それじゃ行くよ……範囲察知!」


 ノーフィが俺に触りながらそう言うと耳鳴りの様なキュインという音が辺りに響き遠くで赤い光が灯る。


「1、2……7人か?」


「そうだね、後は灯りの強さからシュウ君よりは弱いし、7人の内1人は女の子かな」


「それもわかるのか」


「ずっとスキルを使ってきたからかな。シュウ君が来るまでは私が魔獣から村を守ってたの。守るって言っても魔獣が近づいたら村の門を閉めるとかくらいだったけど……それじゃあ、行く?」


「ああ、行くか!王女様を助けに!」


 期待されている以上、男として応えたい。


 前世では出来なかったことを、この世界で成し遂げる。


 そう……俺は、モテてやるんだ!!

 不純で構わない、その為にノーフィの期待に応えて王女様を助ける!

 一石二鳥だ!


「ショウ君にやにやしてる……少しだけ、気持ち悪いかな」


「うっ……」


 なんかわからんけどノーフィの機嫌が悪くなった。


 ……何故だろう。

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