第3話
「すまないのぅ、急に呼び出してしまって」
村長の家に行くと目の前で村長、ルディリアに謝まられた。
もうすぐ60歳らしいが目立つ皺の無い、そうか、どこかで見たことあると思えば現実世界で失敗しない医者役をしていたあの美女だ。
「いいよ、丁度畑仕事が終わった所だから。それよりも盗賊が現れたんだろ?」
「そうじゃ、それに王国から便りが来てな。何でもこの辺りで王女が行方不明になったそうじゃ」
「は!?何でそんなことに!?」
「どうやら貴族の1人の失態で攫われたとか。噂の範疇じゃがのぅ」
貴族の1人、まさか。
「確か、ホルドア家だと言っていた様な……お主、しっておるか?」
「……さぁ、知らないかな」
実は今の俺はショウ・ホルドアでは無い。
追放された事を機に名を少し変えたからだ。
今の俺はショウ・カミナだ。
……好きなアニメキャラから苗字を取ったのは、やはり鉄板ではなかろうか。
それよりも可哀想なのは王女だ。
ホルドア家がどうなろうと知らないが、王女に罪は無い。
「わかった、出来る範囲で王女を助けてみる。でも期待はしないで欲しい、俺はそんなに強く無いから」
「謙遜するでない、お主の剣捌きは一級品じゃ、元剣神であるワシが言うのだから間違いは無い」
「はいはいわかったよ、そんな嘘つく暇があったら盗賊を倒してくれていいんだけどな」
「本当だと言っておろう……それはそうとお主前の話は考えてくれたかのぅ?」
「前の話ってまさか……俺の子供も欲しいってあれ!?冗談じゃなかったの!?」
「何を冗談で言うか。言ったであろうお主は才能がある、そしてその血を後世に、って何故逃げるのじゃ!?」
「俺が童貞だからって馬鹿にすんな!最初は可愛い年下の女の子って決めてるんだよ!じゃあな!」
何かルディリアは喚いていたが無視だ。
とにかく今は近くから王女を探してみよう。
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