12月3日……鱗空ひとひら
“空が 欲しいわ”
上げた視線に映るのは
まるで鱗のような空
手を伸ばせば届きそう
指で触れれば落ちてきそう
“空が 欲しいわ”
伸ばしても届かず
掴んでもすり抜ける
そんな普段の空よりも
鱗空は少しだけ優しく
ひとひら 僕の掌に
その薄い青を
落としてくれそうな
そんな気がして
“空を ちょうだい”
空を望んだ彼女は
既に居ない
耳元に響く小さな我侭
それだけを僕に残し
空へと還った
ひらり ひとひら
開いた掌に落ちた鱗空
僕はそれを風に乗せ
再び空へと還す
“空を あげるね”
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