第25話 生徒会長と生徒手帳


 会長の音々ねおんさんへの追求は終わらない。


「次ね。部としての活動内容と実績の提出が学期ごとに必要なのだけど、前年度は一度でも提出したかしら?」


「提出はしたさ。だが何故か一度も受理されなかった」


(なんて書いたのか知らんけど、部室でケーキを食べましたとかだったら受理されないんだろうな)


 そんなことを思っていると、会長がこっちを向いて微笑んできた。なんとなく会釈すると少しだけ笑顔がほころんだような気がする。


 またすぐに会長は音々さんに向き直った。


「次。部室と部費の使用用途について、正確に報告して許可を得なければならない。報告書類が一つも見つからなかったのだけれど?」


「書類は出したさ。不思議なことに全て返却されてしまったけどね」


(問題ある書類を提出した時点で廃部にしないあたり、実は生徒会ってとても優しいのでは?)


 書類に問題があったと決めつけるのはさすがに失礼かと思っていると、会長がまたわたしに微笑んできた。


「会長がチラチラわたしを見てくる」


 つい口に出してしまった。すると音々さんが高らかに笑う。


「はっはっは。それはそうだろう。姉さんはたべ子さんを見に来たのだからな」


「ちょっ……! それは言わない約束!」


 なんだこの茶番。




(※この作品はフィクションです。ルールはしっかり守りましょう)

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