第9話 花より団子
「たべ子さんは観賞魚が嫌いなん?」
「今のは食べ物屋さんを期待してたからで……でも少し苦手かもしれないです」
そう言うと、
「観賞魚はいいぞ。背伸びさえしなければ手間もそこまでではないし、ちゃんと世話をすれば意外と懐いてくれる。何より水槽は美しい」
「わかってる。わかってるってば!」
肩を軽く振ったら、簡単に音々さんの手は離れた。
「ネオンテトラとかグッピーみたいな小さくて綺麗な魚はかわいいと思うし、きちんと作られた水槽は幻想的で綺麗だなって思う。でもね……」
見回すと音々さんもAA先輩も、
「水槽を見てると『この子は食べれるのかな?』とか思っちゃったりして、罪悪感がすごい」
「「「なるほど」」」
声が三つ重なったのが無性に腹立たしい。
(※この作品はフィクションです。物を見た感想はそれぞれでいいと思います)
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