第十一話 友達を助ける方法

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今はアリーチェさんの話題だけだな、近隣住民は外出を控えるようにか、今優輝達はどこにいるんだろう。

なにか協力できることは無いのかな、とりあえずsns見てみるか。

トレンドの1位にあったので見てみる。

色んな人が呟いている、とうとうラノベの主人公になったと思う人や、不安でさっさと捕まえろと自衛隊を批判する人、どういう生き物か考察する人、ドライブレコーダーに写った少年の特定を始める人、化け物は少年を守っているように見えるから悪いやつでは無いと言う人、人の数だけ意見が書かれていた。

神社に行ったら何かいい事が起こる気がする。

行ってみるついでに神頼みでもしてみるか。

1番近い神社に行く。

賽銭箱に500円を入れる。

手を2回叩き頭を下げて祈る。

優輝とアリーチェさんが無事に帰って来ますように。

頭を上げると目の前に女性が居た。

足音もしなかったし一般人が今外出をする訳が無い、巫女服も来てないから神社の関係者でもない、というか、可愛すぎんか?

とりあえず誰か聞こう。

「誰ですか?」

「私はそこら辺の人です、ちなみに男です」

「マジで?」

「マジマジ」

「てか、一般人は外出をしようとしないと思うんだが?」

「じゃあ貴方は?」

「俺はあの化け物と呼ばれる存在は怖くないからね」

「強がりか厨二病?」

「信じてくれなくても良いが怖くない理由は、俺はあの人と関わった事をあるからま、その時あの人の彼氏であり俺の友達を守ってくれと言われた、あの人が世の中に存在をバレたら追われる身になる、そうなると俺の友達は絶対にあの人に着いて行こうとするから、そんな危険な道に行かせないようにしてくれと言われた、それで分かった、本当に良い人なのだと、そう思った、結局俺は将来優輝が後悔するだろうと思い、ついて行く事を後押しした、その俺の友達がドライブレコーダーにも写ってた、あの人が助けた少年だ、きっと今も頑張って逃げてるだろうよ、それで俺になにかできるか考えたら神頼みしかなかった訳だ」

「へ〜、相当仲良いんだね君と君の友達は」

「まぁな、俺もあいつも唯一の友達だったからな」

「すっごい怪しい事を言うよ、超能力は欲しくないかい?」

「そんなのある訳ないじゃん」

「君は知ってるはずだぞ、人知を超えた力を持った存在を」

「本当に分からないけど」

「本当に言ってるのか?」

「本当に言ってるが」

「分かった、頭を貸せ」

そう言われ、頭に手を置かれる。

数秒ただただ時間が過ぎた。

「終わったよ」

「何をしたんだ?」

「強いて言うなら君の潜在能力を引き出したとでも言っておこうかな」

「もっと詳しく」

「分かった、君の魂は特殊なんだよ、その魂が特殊な理由は、他の世界の同じ魂と繋がってる」

「ほかの世界?」

「そこからか、まず、宇宙の最初、要するにこの世界が始まる時、その条件によりこの世界のルールが作られる、そこで何個もいや、無限に世界が作られる、そこからか人間の選択などで更に無限に世界が増える、要するに無限に世界があると考えてくれ、そしてその無限個ある世界に1つ君と同じ魂が必ず1つある、その必ず1つある魂の記憶、感覚、感情、視覚、聴覚、ありとあらゆる情報と繋がれる」

「馬鹿だから理解出来ない」

「めっちゃ簡単に言う、もう1人のお前が感じだ事を感じれる様になった」

「凄いまとまったな」

「ちなみに未来と過去の自分も見れるぞ」

「チートじゃね?それ、そういえば俺が知ってるはずだとか言ってたけどどういう事だ?」

「本当に知らなかったのか、まずこの世界は2人の存在が中心となって構成されている、そんな世界に置いてその2人以外の選択肢はひとつしか無い、そしてその2人の選択に合わせるように選択肢が変わる、選択肢があるようで元からどっちを選択するかは決まってるということだ、そして今回お前は神社に来たな?」

「来たけど」

「その行動はあの2人がどんな選択をしても無い選択肢なんだよ」

「どういう事だ?」

「お前がさっき開花させた能力を使わない限りこの神社に来ることは無かった、多分無意識に使っていたのだろう」

「へ〜」

「興味無さそうだな」

「思ったよりつまんなくて」

「まあいい、だが忠告しておく、お前が助けようと思ってる2人が助かる道は無限にある世界の中でも、多くて三百とかそのレベルだろう」

「分かった」

「存分に抗え、そして頑張ってこい」

気づいたらその男と名乗った人はいなかった。

平行世界と未来と過去の自分を見れる能力か、多分こんな感じの解釈で良いのだろう、こうなると、家に帰ったら優輝達が生き残る世界線を探すか。

途方も無い事なのかもしれない、だが必ずその未来があるはずだ、きっと1万分の1でも1京分の1でも必ず見つけ出す。

家に帰り平行世界の自分を見ていく、でもその中に優輝達と一緒に笑ってる姿は見えなかった。

どういう事だよ、優輝達は助からないのか?、分からない、そういう運命にでもなってるのか?、この結果に抗えるのか?、今数え切れない程の未来を見てきたが、1つも優輝が助かる未来は無かった、本当に無いのか?。

「随分悩んでる様子だね」

「お前は、あの時の奴か」

「優輝達が助からないだとか考えてるんだろうけど、正確には違う、お前が生きている未来では優輝達が助かる事は無いが正しい」

「どういう事だ?」

「この逃避行は犠牲がない限り、終わらない、犠牲が無く争いが終わった試しはあるか?」

「喧嘩くらい犠牲が出ずに終わったことはあるが?、一応喧嘩も争いだろ」

「そんなレベルの話じゃない、お前は周りが見えてない、今はあいつら2人は国、いやもしかしたら世界と戦ってるんだ、そんなレベルの争いが犠牲無しで終わると思うか?、今回は最高2人最低1人で済む分ましな争いだと思うが?」

「なんで世界なんだ?」

「人間の力を超越した存在、警戒するのが日本だけと思う方が不自然だが?、今や多くの国のメディアが注目している、多くの国は、力の大きさも分からない、制御できるかも分からない、そんな物は早く処分するべきだと言ってるがな」

「じゃあどうすれば」

「さあな、自分で考えろ、私が手を加えたらつまらないだろう?」

「人の命がかかってるのに面白いとか言うな」

「俺から見たら平等だ、アリを見ててもつまらないだろ?、それをちょっと面白くしてるだけだ、全ての生物をアリと平等に見てるだけだ」

「狂ってる」

「ああ、狂ってるさ、この世界の事を理解してしまったら平常心なんて保てない、そしてお前の能力はこの世界の全てを理解する可能性を持ってる、だからこそ教えてやる気をつけろ」

「目的はなんだ?」

「目的?、この世界の創造主を殺して自由を手にする」

「何言ってるか分からない」

「今は分からないだろうさ、分からない方が身のためだ」

気づいたら消えていた。

俺が死なないとあいつらを助けれないのか、なら予知のしようが無いじゃねぇか、出来る限りの事をやるか。

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